1 2026年1月15日、吉村洋文大阪府知事・横山英幸大阪市長は、任期途中で辞職し、「大阪都構想」に挑戦することの是非を問うために出直しダブル選挙を実施することを表明した。2026年2月8日、ダブル選挙が実施され、両氏が当選する結果となった。当選した吉村氏は、「都構想に挑戦することについては一定信を得た」「まずは設計図作りをしっかりやることが重要」と述べた。私たちは、このあまりにも独善的で大義なきダブル選挙に対して抗議の意思を表明するとともに、3度目の都構想住民投票の実施には断固として反対する。
2 「大阪都構想」は、2015年、2020年に実施された住民投票において、明確に否定されたものである。住民投票という民主的な手続において、二度にわたって否定されているものであり、本来であれば議論に終止符が打たれるべき問題である。3度目の挑戦を掲げてダブル選挙を行うことは、市民の判断をないがしろにするものと言わざるを得ない。吉村氏は、2020年の住民投票において「大阪都構想」が否決された際、「僕自身が都構想に政治家として挑戦することは、もうありません。やり切ったという思いです。」と述べていた。3度目の住民投票への挑戦は、政治家として述べた言葉を覆すものであり、市民に対する裏切りである。吉村氏は、ダブル選挙の実施が民主的プロセスであると説明するが、説明になっていないし、市民の意思は過去の2度の住民投票において既に示されている。
ダブル選挙に関しては、辞職・告示・投開票に至るスケジュールが、あまりにも拙速であった。首長選挙は、現職が有利となる傾向がある中、今回のダブル選挙は辞職表明から告示までわずか1週間程度しかなく、対立候補の擁立や市民の議論が事実上封じ込められた。「民主的プロセスを経た」と説明するために行われた独り相撲である。現に、主要政党は立候補者を出さず、都構想について充実した議論がなされることもなかった。有権者からも選挙の正当性が問われており、白票も含めた無効票が、府知事選は41万6783票(投票総数の10.29%)、市長選は17万620票(投票総数の13.77%)にのぼる異常事態となった。加えて、国政選挙と併せてダブル選挙を行うことは、大阪府及び大阪市の職員に多大な負担を強いることになる。来年度予算の編成等で職員が多忙な時期にダブル選挙を強行することにより、大阪府政・大阪市政の停滞を招くことは明らかである。
物価高騰が市民の生活を直撃している中、大阪府・市がなすべきことは、都構想という過去の亡霊を追いかけることではなく、目の前の暮らしを支えることである。約28億円という多額の血税を投入して行われるこのダブル選挙は、どこにも正当性を見いだせない。
3 このような独善的で大義のないダブル選挙の実施に対して、当会は抗議の意思を表明する。併せて、吉村氏・横山氏が当選したことをもって、3度目の住民投票の実施を市民が認めたことにはならないこと、3度目の住民投票を実施することは過去の2度の住民投票の結果をないがしろにするものであり断固として認められないことを表明する。
2026年2月14日
民主法律協会 2026年権利討論集会



