民主法律時報

新人・若手歓迎企画 KBS京都訪問ツアーのご報告

弁護士 西川 翔大

2020年2月29日(土)に、民法協の新人・若手歓迎企画として、派遣研究会と共催で、KBS京都訪問ツアーを開催しました。参加者は、新人・若手弁護士だけでなく中堅・ベテラン弁護士、労働組合の方々など多様なメンバー10名で実施されました。

初めに、KBS京都労働組合の長岡さんに解説を受けながら、テレビやラジオのスタジオを見学させていただきました。丁度生放送の収録が行われていたので、テレビ撮影の裏方の仕事を見学しながら、そこにいる撮影スタッフ(カメラマンや音声、フロアディレクターなど)のほとんどが正社員ではなく、非正規・派遣社員・アルバイト(構内スタッフ)であること、構内スタッフの多くが放送局などいくつかの現場を掛け持ちしながら生計を立てていることなど、放送局の従業員の過酷な労働環境を解説していただきました。だからこそ、労働組合が従業員のいのちと健康を守るために会社に対して強く申入れなければならないという必要性を実感しました。また、現在YouTubeやネット配信が盛んで、若者のテレビへの関心が低下している状況で、KBS京都のようなローカル局は市民に身近な放送を心がけて、KBS労組と市民との交流がますます重要になるということも解説していただきました。

午後からは、KBS労組の副執行委員長の古住さんから、KBS労組のこれまでの闘いや派遣社員の直用化・無期化の動き、組織拡大の手法などについて詳細にご報告いただきました。

KBS労組は、歴史的に、会社更生法の適用を申請し事実上倒産したKBS京都の再建に大きく関与した経験から、徹底的に闘えば要求を実現できるという信念と、熱心な学習と議論に裏打ちされた戦略に基づいて、素晴らしい実績を築き上げてきました。

また、未加入組合員に対してもコミュニケーションレターを届け、組合の活動や組合への参加について地道に声かけをし、毎年10名以上の加入という目標を達成し、現在も組織率70%を達成しているということをうかがい、組合の組織拡大という面でも非常に参考になりました。

これまでKBS労組の実績を聞くことはよくあったのですが、その実績がたゆまぬ学習や議論と粘り強い闘いに裏打ちされているものであることが分かり、私自身の今後の弁護士としての姿勢においても非常に勉強になりました。今回ご協力いただきましたKBS労組の皆様ありがとうございました。

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