おおさか労働相談センター事務局長 宮崎 徹
7月29日、「第4回労働相談学習会」が国労大阪会館で行われ、6産別、6地域組織、弁護士・その他から計37名の参加がありました。冒頭の主催者代表あいさつで川辺和宏所長は「非正規と正社員の労働条件の格差は顕著。『均等・均衡待遇』が言われている。均等と均衡の意味と実態を学習し、相談活動に生かしたい」と話しました。次に加苅匠弁護士(大阪法律事務所)から、5月から7月までの労働問題に関する判例や訴訟の内、経営者・同僚のパタハラ、静岡県東部警察署長のパワハラを認めた事例、大阪市の福祉関連会社「絆ホールディングス」が従業員や利用者から地位確認と損害賠償を請求されている訴訟などが報告されました。
続いて「同一労働同一賃金」について谷真介弁護士(北大阪総合法律事務所)から講演していただきました。同一労働同一賃金については、労基法3条「使用者は、労働者の国籍、信条又は社会的身分を理由として、賃金、労働時間その他の労働条件について、差別的取扱をしてはならない」としていますが、雇用区分は「社会的身分」には当たらない(行政解釈)とされています。
均等均衡待遇規制は「相対規制」=正社員の待遇を引き下げる方向にも、非正規の待遇を引き上げる方向にも働き、どちらに転ぶかは労組の取組み次第といえます。定年後再雇用の判断枠組みでは、「その他の事情」(年金・退職金の受給、再雇用後の年収割合)が結論を左右します。一方で、「無期フルタイム」も対象になりえます(東北映像事件)。パート有期法の文言上は対象外でも、同一労働同一賃金は「公序」として及ぶとされました。
これまで最高裁判決で勝ち取った内容は、①有期労働者の格差是正、②その会社の他の有期労働者だけでなく、多くの企業の有期労働者に影響を与える、③差別的、また不公正な処遇がなされていることが公的に認定、④有期雇用について不公正な処遇が行われているという疑いが生じ、吟味・追及が容易になる、⑤「長時間過密労働をして当たり前の正規労働者、低処遇・不安定が当たり前の非正規労働者」という漠然とした差別・使用者の分断や労働者内の分断を許さない、⑥雇用区分による差別は認められないという社会的意識の変革を生む可能性が大きい、などです。
パート有期法施行通達では、使用者が労働者に対して、待遇の相違の内容等について十分な説明をしなかったと認められる場合には、その事実も「その他の事情」に含まれ、不合理性を基礎付ける事情として考慮されます(2026年10月1日告示「正社員との待遇差について説明を求めることができる」旨を労働条件通知書に記載しなければならなくなった)。労働組合に寄せる期待として、格差是正は「差別されない」という人権課題であり、労働者の分断は政府・財界の思うつぼ。全体賃金低下の原因となっていることを組合員間で議論し、中心的な課題として取り組むことが重要と講演を結ばれました。





