民主法律時報

「ブラック企業対策! 労働判例ゼミ」に参加して

第67期司法修習生 安 原 邦 博

 2013年12月11日(水)、「ブラック企業対策! 労働判例ゼミ」に参加させて頂いた。参加の理由は、本ゼミの目的の一つに、労働判例の研究・分析を通じた個々(特に若手)のスキルアップがあるようで、未だ司法修習(弁護士等になるための1年間の研修)に入って2週間しか経っていない未熟者でも、労働弁護士を目指している私としては、この絶好の機会を逃すわけにはいかなかったからである。
 さて、第1回目の今回は、「固定残業代制度」がテーマであった。
 ブラック企業の厄介なところは、意図的に、違法すれすれもしくは脱法的、又は、油断していると適法に見えなくもない違法な手口を駆使することにある。それ故、ブラック企業対策には、これまでの労働判例の到達点(違法・適法の分水嶺)を解明することが有用である。そのために今回は、「固定残業代制度」に関わる過去の裁判例(違法と判断したもの、適法と判断したものの判例群)を研究・分析し、同制度に関わる判例の到達点を解明することが試みられた。
まず、中西基弁護士から、「固定残業代制度」に関わる法的論点が紹介された。そして、原野早知子弁護士から高知県観光事件(最判平6・6・13)について、南部秀一郎弁護士から「労働関係訴訟の実務」第7講「固定残業代と割増賃金請求」についての報告がなされた。同講は、その執筆者が考える、「固定残業代制度」に関わる判例の到達点を紹介しているところ、この本は、どうやら労働事件を扱う裁判官のバイブルらしい。したがって、これをちゃんと理解することが、ブラック企業と闘うときの裁判対策等に極めて有用なのであろう。
 各報告の後には、参加者全員での質疑応答があった(ところで、参加者は20名を超えていたとのことであり、その構成は、労働組合関係者、学者、実務法律家など多種多様で、ゼミが始まってからも続々と人が増えていく盛況ぶりであった。)。ゼミの会場には豊富な配布資料があり、弁護士からの報告もわかり易かったのであるが、やはり未熟者である私としては、基礎的な疑問にも快く回答いただけることが大変助かった。また、労働組合関係者が話して下さる具体的事例も、現在進行形のブラック企業の内実を知るのに有益で、大変勉強になった。
 本ゼミは、第2回目を1月21日、第3回目を2月26日(ともに18時30分開始@民法協)に予定している。このような貴重な学習機会は他にないので、次は、他の司法修習生も誘って一緒にお邪魔させて頂きたい。

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