民主法律時報

まともな働き方実現! ~安倍式働き方改革のウソ・マコト 6.16法律8団体共催集会

弁護士 細田 直人

2017年6月16日エル・おおさかで、法律8団体共催集会「まともな働き方実現!~安倍式働き方改革のウソ・マコト」が開催され、192名が参加しました。
この日は、民主主義を踏みにじるかのような強行採決で共謀罪が成立した日であり、本集会は、民法協幹事長鎌田弁護士から、政府与党の行動に対する抗議声明で幕が開けました。

まず、日弁連労働法制対策委員会委員の久堀文弁護士から、同一労働同一賃金についての現在の議論の内容や、働き方改革における法定外労働の上限規制についての最新の議論の内容が報告されました。
基調講演では、毎日新聞新潟支局長東海林智さんから「労働(働く者)の尊厳は守られているか~安倍政権下で働き方生き方を考える~」というテーマで講演いただきました。

 東海林さんの講演は、フィラデルフィア宣言をもとに「まともな働き方とは、人として尊厳が守られる働き方である」との強い言葉で始まりました。安倍政権の働き方は、企業が働かせやすい労働環境を整えるもの、すなわち、労働法の適用のない社会を作るというものです。フリーランスによるバラ色の未来を描き、個人請負を増加させるなどして、労働法適用のない仕事形態を増加させ、労働の商品化を推進する。ダブル・トリプルワークを推奨して、低賃金の中小企業で従事する労働者の労働時間をますます増加させる。高度プロフェッショナルなどの聞こえのいい言葉を使って、経団連が提言する400万円で働かせ放題の制度さえも作り出そうとしている。このような、働き方改革では、労働者が勝ち取ってきた尊厳が失われていくということでした。最後に、宮古島で組合活動を始めたことでパワハラなどの不当労働行為をうけながらも戦い続ける女性新聞記者の言葉が紹介されて締めくくられました。その記者の言葉は、ペンを奪われても、理不尽な対応を受けても人間の尊厳を奪われないため声を上げともに戦う仲間がいる。宮古島の子ども・後輩のために何か残したい。全国の仲間が連帯し応援してくれる」といった、運動により声を上げる必要性・連帯について心に残る言葉でした。

現場・各分野からの報告では、ヤマト運輸労組の田中さん、兵庫過労死を考える家族の会の西垣さん・全労働の丹野さん・龍谷大学の妹尾さんからの報告がありました。
妹尾さんからは、ソウル市の運動をもとに、真の労働政策はトップダウンにより実現されるものではないということの報告でした。ソウル市は、国に率先して独自の労働モデルを提案し実現する。その上で、企業に対しても同様の取扱いを求めています。ソウル市から、韓国全体へとの意気込みで労働者の尊厳を確保しようとしています。この動きの根底には、活発な市民運動があり、労働組合・市民活動家の運動が、市の政策を変え、国政を変えようとしているとのことで、日本においても、今こそ、国政を変えさせる市民運動が必要と感じさせるものでした。

この集会には、民進党の辻元清美議員、日本共産党の清水忠史議員が国会から駆けつけてくださいました。両議員からは、安倍政権が強行可決した共謀罪、働き方改革について、今後、政府与党に対し毅然と対峙していくという強い言葉を戴きました。
最後に、出席者全員で、「過労死ラインの長時間労働NO!」「実現!まともな働き方」というポテッカーを掲げての集会アピールが行われ、閉会の挨拶では、連合大阪法曹団大阪支部の大川一夫弁護士から、連帯して安倍政権と闘う意思を改めて確認されました。

共謀罪の強行成立の当日の集会とあって、集会全体として現政府をただすという気概を共有する集会でした。その実現のためにも、連帯して声を上げ、大阪から全国へ、安倍式働き方改革を、労働者の尊厳を守る真の働き方改革に変えるための運動の必要性を改めて考えさせられる集会でした。

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