民主法律時報

「これでいいのか公共サービス~希望をつくろう」 第11回なくそう!官製ワーキングプア大阪集会

実行委員会 川 西 玲 子

10月29日、エル大阪において、8団体(NPO官製ワーキングプア研究会、NPO働き方ASU-NET、非正規労働者の権利実現全国会議、労働と人権サポートセンター大阪、非正規公務員(ヴォイセズ)、公務非正規女性全国ネットワーク(はむねっと)、民主法律協会、大阪労働者弁護団)の共催と全国公立大学教職員連合会の後援で、今年も第11回目の「なくそう!官製ワーキングプア大阪集会」を開催しました。

年々共催団体や後援団体が増え、実行委員会も毎回20名を超える参加で、活発な議論を一から積み上げて集会をつくってきました。

今年の参加者は、近畿6県以外からでは北海道・東京・埼玉・静岡・愛知・広島・福岡・北九州・鹿児島など、全国各地からの参加者があり地域も広がっています。午前午後の参加者は205名(Web40名)で初めて200名を超えました。また、「会計年度任用職員制度を政治課題に」と政党への働きかけを強め、社民・れいわ・共産などの地方議員、国会議員、議員秘書の参加やメディァの参加も多く、運動の広がりも実感できました。

今年は会計年度任用制度が施行されて3年がたち「3年公募」の年になり、改めてこの制度の問題点が明らかになりました。3年で雇止めできることを利用して民間委託が進行し、全員が1年任期という極端に弱い立場は、職場でのあらゆるハラスメントを引き起こしています。

今年の集会では、このような状況に負けないで非正規当事者が「3年公募」の実態アンケート(はむねっと)や「ハラスメント」の実態アンケート(ヴォイセズ)に取り組み、それらの結果を持ち寄り現状を共通認識にして議論しました。また、大阪実行委員会のメンバーが自ら短編映画「私は非正規公務員」を制作して実態を告発し、仕事の実態と不安定な雇用の理不尽さが迫り参加者の共感が広がりました。

午前の3つの分科会では「会計年度任用職員制度総ざらい」「公共サービスの劣化~担い手を考える」「公務非正規ハラスメントアンケートで見えてきたこと」に分かれて議論し、それぞれ現状の問題点を深め、今後の課題も明らかにしました。午後からの全体会では、北九州会計年度職員の国賠訴訟、大阪教育合同労組の大阪府労働委員会闘争、兵庫県子ども病院の不当労働行為、堺市学童保育の雇止め上告、ABCマートの闘いなど、5つの職場から元気な闘いの報告がありました。記念講演の竹信三恵子和光大学名誉教授は「非正規の味方はたくさんいる、地域巻き込み型運動のすすめ」と題して、自治体の果たす役割と公務労働者のますますの重要性、公共サービスの利用者である市民と結びついて運動主体をつくること、そして自治体議員やメディアを味方にしてより良い公共サービスをつくろうと話されました。その後会場参加者を含めてのトークセッションを行いました。

集会の総括コメントは安周永龍谷大学教授から、韓国の最賃運動や非正規の正規化運動にも触れて、労働運動と市民運動の連携の重要性と日本の今後の運動への期待を込めて激励していただきました。

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