民主法律時報

原発は要らない 熱い想いを、広く共同し、行動で示す――さよなら原発関西2万人行動

弁護士 宮 本 亜 紀

1 反原発行動に参加
2013年3月10日(日)、全国各地で様々な人達が、フクシマ・東北に心を寄せる集会等が開かれた日に、大阪でも「さよなら原発3.10関西2万人行動」が、中之島公園一帯で開催されました。原発ゼロの会・大阪など様々な団体が共同し、実行委員会を作って準備され、当日は1万1千人もの人が参加しました。私は、所属事務所の他の弁護士や事務局員と一緒に剣先公園エリアに行き、実に色とりどりの幟旗が立っている壮観な図に、「この日こそ当然に結集して原発は要らない意思を示す!」というたくさんの熱い想いを感じました。
当日は、午前は春らしい陽気だったのですが、午後から急に空がかき曇って風雨が激しく、大変寒くなりました。剣先公園エリアでは、高速道路の高架下に入れば雨はしのげましたが、時折強風で雨が降り込み、天候はかなり厳しい状況でした。民主法律協会では、事務局の長田さんが青緑色の幟旗を持って高架下の真ん中で陣取ってもらっていたので、私達はそれをめざして集い、途中から風雨が激しくなっても耐え抜き、デモ行進も最後まで参加することが出来ました。(長田さん、風雨に負けず幟旗をずっと持っていただき、本当にありがとうございます。)

2 2万人行動の様子
集会自体は、中之島公会堂前の女神像前、堂島川水上、ちびっこ広場、剣先公園に、いくつかステージが設けられ、午前10時30分から始まったステージもあり、ギターと歌の音楽、子どもも楽しめるヒーローアクション劇・ゲーム・紙芝居、3分間アピールなど、それぞれにどんな風にも楽しめるイベントになっていました。そして仕上げに「関電コース」「御堂筋コース」「西梅田コース」の距離を違えた3つデモコースがあり、午後4時頃終了しました。
天候が良ければ、もっと多くの方が参加したでしょう。屋外ステージがほとんどで、天候の急変に傘を持たない、防寒が足りないという方も多く、体調を崩す前に帰られた方もおられました。小さな子どもさん連れや年輩の方には、仕方のないことでした。
私達が参加した剣先公園エリアでは、午後1時からステージで音楽や3分間スピーチが始まったのですが、すぐに風雨が激しくなり、皆が高架下にひしめき合い、お互いが各々挨拶したり、最近の活動を報告し合ったり口々におしゃべりしていたので、前方のステージの様子はあまり覚えていません。しかし、普段は様々な場面で各々の立場で、社会問題、住民の要求、労働運動に取り組んでいる方々(民法協会員も含めて)が、その幟旗を持って来て、この日は、「原発は要らない!」という一致点で集っていることに、私は胸が熱くなりました。社会が経済的に政治的に閉塞感に満ちている中で、それぞれに普段から忙しく活動している方々が多いですし、また、春の陽気がうれしい週末ではありました。しかし、やはり3.11 を忘れることはなく、皆が我が事として心を寄せ、何か行動で示すイベントが企画されるはずだとこの週末の予定を空けて、手作りデコレーションや鳴り物を用意して待っていたからこそ、それだけの人数が集まったのです。

3 反原発の想いを示す時
私は、個人的な仕事や生活の忙しさにとり紛れて、日常的に反原発の意識で行動できていないことにふと思い至ったとき、今も故郷を捨てなければならなかったフクシマの人達、大飯原発の危険に将来の子ども達らに申し訳なく思うことがあるのですが、3.10 に大阪で集って、元気を取り戻しました。本当に集まっているだけでも充分に、「原発は要らない熱い想い」を共有することができました。
そして、「広く共同し、行動で示す」ことが大きなうねりを作り出すことを実感しました。毎週(冬季は隔週)金曜に関電前で2拍子コールを主宰している若者が、ステージでその行動の意味を語っていましたが、「なるべく敷居を低く、低く、誰でもいつでも参加できるようにするために、どこまで敷居を低くできるか工夫した」という言葉が印象的でした。報道自体が少なく耳にする機会が少なくなり、情勢を追えていないと、今、原発はどうなっているんだろうと不安だけはあるけれど、あんまり他人に聞けないという時、ふと街で小さな反原発行動を見掛けたりすると、原発再稼働や新増設に反対している人は、けっこういるんだと安心し、自分も参加できるならしてみようかなという気持ちになれます。他の政治問題には違った意見を持っていても、持っていなくても、「原発は要らない」という気持ち一点だけで広く共同していくことを追求することは大切です。そして、気持ちを集って行動で示すことの爽快さを、多くの人に感じてもらえればもっと広がると希望がわきます。
電力会社や国を変えていくのは市民の力だと実感して、次の機会にも参加し、反原発の熱い想いを実現していきたいです。

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