民主法律時報

新人学習会に参加して

弁護士 垣 内 浩 宣

 75期の垣内浩宣(かきうちこうき)です。今回、民主法律協会に入会し新人学習会に参加したので、その学習会について報告をさせていただきます。

2023年1月17日の午後6時半から午後8時まで開かれた学習会には、新人9名を含めて、合計17名が出席しました。事務局長の西川大史弁護士が講師で、学習会の内容は民法協がどのような活動を行うものなのかということや、弁護士が労働事件に関わる上で必要となる知識がどのようなものであるかでした。

会場にいる皆さんは、西川弁護士の話を集中して聞いておられており、最初は厳かな雰囲気の中進行するのかと思いきや、途中で、参加していた弁護士がちょっとした議論をし始めるなど、各自が自由に発言することができるものでした。

 西川弁護士は、使用者は、採用の自由や解雇の自由などが認められているから、労働事件において、労働者側は弱い立場にあるとおっしゃっていました。しかし、労働事件は「弱きを助け、強きをくじく」という点にやりがいを感じるという弁護士の原点に通じるものであるともおっしゃっていました。私は労働事件に関与したら弁護士の原点に立ち返り、自らを奮い立たせ労働者に寄り添うことが必要なのだと思いました。さらに、西川弁護士は、労働事件の弁護士は法律の枠では救うことができない労働者を救うべく、社会運動、立法要求活動を行うともおっしゃっていました。駆け出しの私は、目の前の依頼者にどのような法的アドバイスを行うかで頭がいっぱいであるのに、さらにその先を考える必要があるのかと考えるに至りました。

 このように、社会運動などが必要となるから、民法協は弁護士だけの組織ではなく、学者や労働組合員も力を合わせて、弁護士の垣根を超え、より労働者が守られる社会にしていくよう活動している組織だということがわかりました。

 私は司法試験において知的財産法を選択していたため、労働法関連については、知識はあまりありません。そのため、昔は労働契約法旧20条のような不合理な労働条件の禁止の条項はなかったことを知りませんでした。このような条項ができたのは、先人達の社会運動や裁判例の構築などが功を奏したからなのだろうなと思い感銘を受けました。現在は、非正規雇用と正規雇用の差を埋めようと活動していることがわかりました。

 民法協の活動内容や労働事件(労働者側)の弁護士の心構えを聞いたあと、新人弁護士の私が気になっている、労働事件の法律相談の行い方を一通り教えていただくことができました。今回、教わったことを早速、労働事件の案件に取り入れて、これからも日々精進していこうと思っています。

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