民主法律時報

日本労働弁護団総会に参加して

弁護士 清 水 亮 宏

2022年11月11日から12日にかけて、日本労働弁護団の総会が開催されました。仙台会場とZoomのハイブリッド開催となり、民法協の会員も多数参加しました。

1日目は、水野英樹幹事長から、労働問題を巡る情勢について報告がありました。解雇の金銭解決制度等、日本労働弁護団として取り組むべき課題についてご報告いただきました。

その後、基調報告として、法政大学の沼田雅之教授から、「デジタルプラットフォームと労働」と題するご報告がありました。ウーバーをはじめ、デジタルプラットフォームを通じた働き方が広がっていることを背景に、現代における労働者性をどのように考えるべきか、プラットフォーム事業者に対してどのように規制をかけるべきか等の点について、非常に示唆に富むご報告をいただきました。質疑応答の時間においても、労働者性のあり方(労働者性の拡大が望ましいのか、労働者性の問題とは区別して法的保護のあり方を検討すべきか等)をめぐって白熱した議論が起こりました。

基調報告の後から2日目にかけて、労働問題や労働事件の報告・議論を行いました。裁量労働制の適用拡大、解雇の金銭解決制度、雇用によらない働き方等の問題について、各地から事件報告や問題提起がありました。その他、家事使用人に対する労働基準法の適用、労災認定に対する使用者側の不服申立て制度の導入等の点についても問題提起がありました。適用拡大が目されている裁量労働制については、今後も弁護団として不適切運用の実態を把握しつつ、反対の声を上げていくことを確認しました。解雇の金銭解決制度については、労働者側にメリットがあるかのような宣伝がなされる中で、どのように反対の声を広げていくか、議論しました。

2日目の報告・議論の後は、労働弁護団賞の授与式が行われました。本年は、東リ事件とアムール事件が労働弁護団賞を受賞されました。いずれの事件も、原告と弁護団から受賞スピーチがあり、東リ事件では、原告本人と村田浩治弁護士の受賞スピーチがありました。民法協会員が担当する事件が労働弁護団賞を受賞し、とても嬉しかったです。
その後は、決議・財政報告・人事等の議題に移り、人事については、幹事長が水野英樹弁護士から佐々木亮弁護士に代わりました。

これからも、会員弁護士として日本労働弁護団の総会に参加し、全国の労働弁護士と議論を重ねつつ、民法協の取組みも全国に発信していきたいと思います。

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