民主法律時報

通信産業労働組合大阪支部訪問記――職場非正規実態レポート②

弁護士 吉 村 友 香

 非正規実態調査のニュース・第2弾は、通信産業労働組合大阪支部です。
 2014年10月19日、大正区にある労組事務所を菅野園子弁護士と吉村で訪問しました。通信産業労組では、大阪支部委員長の日野賢二さんに対応していただきました。
 非正規労働者の会社内で占める割合について、たとえば、NTTの子会社のマーケティングアクト社では、7割から8割が非正規労働者とのこと。同社の非正規労働者は、契約社員C(1年更新、月給制、これまで更新回数に制限なし)、契約社員D(3ヶ月更新、時給制、勤務地限定)に分類されます。以下では、正社員と契約社員、特に契約社員Dとの待遇の差、正社員登用制度の実際について紹介したいと思います。

1 正社員と契約社員Dではこんなにも差があります!
 マーケティングアクト社では、台風などで通勤できないとき、有休の特別休暇が付与されることになっていますが、これは、正社員と契約社員Cに対してだけで、契約社員Dには付与されません。
 通勤費についても、正社員と契約社員Cだけ全額支給。契約社員Dには、これまで一切支給されず、団体交渉の結果ようやく5000円を上限に支給されるようになりました。
 その他にも、食券の支給、外勤手当の支給、賞与等に差があります。
 正社員も契約社員も仕事の内容はほとんど同じです。契約社員C、Dの仕事内容もほとんど同じです。それにもかかわらず、様々な待遇の差が設けられているのです。

2 正社員登用制度は一応あるみたいだけれども…
 マーケティングアクト社では、採用は契約社員Dからスタートします。経験年数やスキルに応じて契約社員Cに登用されることもあるようですが、登用の基準が定められているわけではなく、すべて上長の権限で決められます。契約社員Cから正社員への登用制度も存在しますが、これも客観的な登用の基準は存在しません。
 NTTでは、昨年10月に、3年の間にスキルアップがあったと会社が認めた非正規社員について、正社員転換を認めるという制度を設けたようです。スキルアップが認められなければ雇止めで、このスキルアップの有無の判断について客観的な基準はありません。

 今回の訪問・聴き取りでは、改正労働契約法20条ができたけれども、期間雇用を理由とする不合理な差別はまだまだ存在するということが明らかになりました。また、改正労働契約法18条(5年ルール)を受けて、正規雇用転換の制度を新しく設けてはいるが、「その内容に要注意!」という例もあるということも分かりました。
 今後、民法協で実施した非正規実態調査アンケートの分析・報告を通して、非正規労働者の労働実態を告発していければと思います。

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