弁護士 清水 亮宏
2026年5月12日、裁量労働制の見直しに反対する集会を開催しました。2026年2月21日、高市首相が、施政方針演説において、裁量労働制の見直しを表明したことを受け、開催したものです。エルおおさか・Zoomのハイブリッド形式で開催し、約30名が参加しました。
集会では、まず、裁量労働制の有効性が問題となった事案を多数経験された塩見卓也弁護士から基調報告をいただき、裁量労働制が抱える問題点について整理いただきました。まず、業務量や期限を使用者が決定するため、事実上の長時間労働を強いられるケースが多く、適用者の約1割が過労死ラインを超え、毎年死亡事例が発生しているなど、長時間労働を助長するような実態があることが報告されました。また、対象外業務への違法な適用が多く、労基署が形式審査しか行わないため、被害が潜在化しやすいという問題も指摘されました。“労基署が受理しているから適法である”という会社側の説明により、違法性に気付くことができないという問題も指摘いただきました。さらに、2024年の改正により、本人同意が要件とされたものの、事実上同意を強いるような実態が見られることについても報告いただきました。
現場報告では、民放労連の方から、本人同意の開始を契機に、多くの労働者が同意をせず、フレックスタイムを選択した結果、会社側に裁量労働制の継続を断念させた事案などについて報告いただきました。新聞労連の方からは、記者職への適用が残業代不払いのために用いられてきた経過等についてご報告いただきました。川村遼平弁護士からは、経団連が出した裁量労働制に関する調査の問題点に関してご発言をいただきました。裁量労働制が抱える問題点を参加者間で共有できたのではないかと思います。参加者からは、“反対の声をわかりやすく広げていくにはどのようにすれば良いか”など、様々な意見・質問が出ました。
今後、裁量労働制の見直し議論がどのような動きになるのかは、まだ読みにくいところですが、引き続き民法協でも反対の運動を広げていきますので、注目いただきますようお願いいたします。(なお、裁量労働制に関しては、2026年2月21日に、「高市首相の裁量労働制の「見直し」表明に対する抗議声明」を出しています。)




