民主法律時報

読売テレビ放送労働組合訪問記――職場非正規実態レポート①

弁護士 原 野 早知子

 民法協では、非正規実態調査の一環として、各労組を訪問するなどしてのヒアリングをスタートしました。調査報告書は別途まとめる予定ですが、一端をニュースでお伝えします。第一弾は読売テレビ放送労働組合です。

 2014年10月15日、京橋にある読売テレビ本社内の労組事務所を村田浩治弁護士・鶴見泰之弁護士・原野で訪問した。読売テレビ労組では、平岡さん・小田嶋さん(ネクストライ労組)に対応いただいた。
 読売テレビでは、短期アルバイトも含め1300人の非正規労働者が働いている。正社員が600人から500人に減少する一方、非正規労働者が増大している。
 読売テレビでは、派遣(26業務以外)は3年毎に交代する。このため、しょっちゅう引継ぎばかりしなければならない事態が発生する。3年で交代するため、チーム内で「一緒にやる」、「育てる」感覚が互いに無くなってしまうという。
 特に、営業部門の派遣社員の業務は、外勤の補助、制作との取り次ぎ等の一般業務で、一年を越えて派遣を受け入れられない業務である。現行派遣法では、明らかに直接雇用申込義務が発生している違法状態である。
 「業務委託」も増大している。タクシーの手配をする配車室や、図書室・ライブラリー(映像資料の保存)の担当者が業務委託となっている。ライブラリーの業務は、以前は正社員がしていた仕事である。派遣にしたり、業務委託(個人請負)にしたりが時期によって代わる場合もある。これらは偽装請負の可能性が高い。正社員が関わらなくなり、正社員の中にノウハウがなくなってしまう恐れもある。
 まさに違法状態が蔓延しているが、職場では、正社員と派遣の混在が当たり前になりかけている。派遣社員にとって「直用」は例外的な事態であり、労働組合も正社員のものだと思われている部分があるという。
 放送の現場を非正規が担う実態。一方、読売テレビは、5年後に近隣に社屋移転の予定である。現社屋を所有したまま、無借金で18 階のビルが建とうとしている。違法状態に放置された非正規労働者を直用する余裕のなかろうはずがない。一方、派遣法「改悪」法案が通れば、派遣社員の固定化が可能になり、期間超過の「違法状態」を「無」にしてしまうことは確かである。
 読売テレビ労組には、派遣・偽装請負の直用や非正規の組織化に取り組んできた実績があり、担当弁護士からは、労働法制の学習会や継続的な相談を呼びかけた。今回の調査をきっかけに、労組と民法協の有機的なつながりが深まることを願う。

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