民主法律時報

大阪地裁労働部の訴訟指揮に関する問題事例検討・意見交換会を開催しました

弁護士 川 村 遼 平

 先日、パワハラを行った当の加害者を証人として採用しないという訴訟指揮をした裁判官に対し、当会所属弁護士らがやむをえず忌避を申し立てる事例が発生しました。当会には、この他にも、大阪地裁労働部における訴訟指揮や不当判決に関する問題が報告されています。
そこで、所属弁護士・労働組合を対象として訴訟指揮に関する事例を収集し、調査結果を報告する企画を2021年12月6日に開催しました。

まず、冒頭に記載した忌避申立てを行った岩城穣弁護士・清水亮宏弁護士から事件の進捗状況についてご紹介いただきました。
次に、西川大史弁護士から、アンケート集計結果についてご報告いただきました。当日までに集まった事例は通常訴訟・労働審判あわせて約20件で、事例を問題の類型ごとに整理すると、下記のような特徴があることがわかりました。
① 判決を書かない
② 証拠(証人)を採用しない
③ 書面を読まない
④ 不当な和解勧試
⑤ 不当な判決
特に①について、弁論を終結する際に判決期日を指定せず、「追って指定」とされる事例が複数報告されていたことが印象的でした。

西川弁護士からは、更に、近年の大阪地裁労働部(合議体)の判決を調査した結果についてもご報告いただきました。確認できた裁判例約 件のうち、労働者側が勝訴したのはわずかに5件にとどまりました。うち3件は労働委員会の救済命令取消訴訟であるため、労働者が勝利した事例は厳密には2件しかないようです。判決内容については更なる精査の必要があるものの、労働者にとってかなり厳しい状況であることが確認できました。

以上の報告を踏まえ、森野俊彦弁護士からコメントをいただきました。ご自身が裁判官であった頃の経験も踏まえ、忌避申立てを裁判官がどう見ているのか、不当な訴訟指揮に遭った際にどう対抗すればよいのか、裁判官の傾向はどう変化しているのか、といった幅広いテーマでお話しいただきました。

当日はオンラインを中心に約 名の方にご参加いただきました。弁護士だけではなく、労働組合やマスコミ関係者の方にもご参加いただき、今後の当会の取り組みについても様々な観点からご提案をいただきました。
継続的に対策を講じていく予定ですので、今後も事例のご報告・取り組みに対するご意見など寄せてくださいますと幸いです。

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