民主法律時報

第2回労働相談懇談会 コロナ関連学習会:退職強要・退職勧奨について

おおさか労働相談センター 事務局長 福地 祥夫

2021年6月17日に国労大阪会館で第2回労働相談懇談会を開催、6産別・7地域から37名が参加しました。

今回は「休業補償を求めたら退職を言われた」「育休後は非正規になるか退職かと言われた」「退職勧奨に応じたのに自己都合退職にされた」などの相談事例をもとに、須井康雄弁護士(関西合同法律事務所)に「退職強要・退職勧奨について」の学習を、大久保貴則弁護士(堺法律事務所)に追手門学院退職強要事件の報告をお願いしました。恒例の「裁判・地労委における労働情勢報告」は加苅匠弁護士(大阪法律事務所)にお願いしました。

学習会は判例をもとに「退職勧奨・退職強要とは」の基礎から始まり、須井弁護士からは退職したくない時でも、退職勧奨を断った時の事業所の対応や退職勧奨に応じた時のメリットの確認は大事だとの指摘がありました。

意に反し退職書類にサインした時は、すぐに撤回などの意思表示を内容証明で送り、退職合意に至る経緯と使用者の言動や説明内容等をまとめる。退職金請求や私物整理などはしない。失業保険の仮給付が必要な時は、必ず異議を表明した上で離職票等を求める。退職金が振り込まれたら返金するか、未払い賃金に宛てる旨の意思表示をするなどの注意点と、退職を受け入れ損害賠償請求を行う方法があるとの説明でした。

退職勧奨に応じる時も失業給付・中退共等の支給要件や一時金の支給要件の事前確認。退職勧奨の前提が横領や経費の不正請求などの時は事前の示談成立が大切。そして退職後に自己都合退職扱いにされないように、退職に関する合意事項を書面にする。使用者が書面作成を拒否したら「間違いがあれば指摘してください」と合意内容をメールで送るか退職届に合意内容を記載する。もし自己都合退職扱いされた時は、退職合意に至る経緯等をもとに退職合意の取消を主張するかハローワークに異議申立を行う。会社都合退職による退職金等との差額請求などが大切とのことです。

追手門事件の報告は、退職勧奨を拒否する職員に「アホなこと言わんといてくれ」と返す理事長発言や、研修中の「腐ったミカンは置いとけない」といった講師発言など、学院の実態と体質を示す内容でした。

コロナ禍を考慮して短時間での討論でしたが「まとまっていて分かりやすかった」「(追手門事件のような)ひどい話はない、絶対勝って欲しい」などの声が寄せられ、各組織の相談活動にとっても有意義な情報を得ることが出来た学習会でした。

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