民主法律時報

大阪労働局との懇談会

弁護士 冨田 真平

2016年6月29 日に行った大阪労働局との懇談会についてご報告させていただきます。
労働局との懇談会は、以前も行っておりましたが、昨年の派遣法の改正を受け、改正派遣法の下で今後労働局からどのような指導がなされるのか等について、労働局からの聴き取りを行うために、派遣労働問題研究会のメンバーを中心に、4年ぶりに懇談会を行いました。参加者は、12 名でした。

今回の懇談会では、質問事項が多岐にわたることから、事前に派遣研で集約した質問事項を労働局に伝えた上で、それに対する回答を聞くという形で行いました。主な質問事項は、現在の指導の実情、改正派遣法の下での指導内容、派遣契約終了後の雇用保険の扱いなどでした。
今後の指導内容については、まず、改正派遣法の下においても、従前と同様に雇用の安定に留意しつつ是正するようにとの指導になるとの回答でした。
また、今回の改正で新設された40条の8第1項、第2項の「必要な助言」、「指導」、「勧告」についても説明がありました。助言の内容としては、一般的な法律の説明、みなし規定の適用の可能性の示唆であること、40条の8にかかるこれらの指導等は、派遣契約終了後も1年間は可能であるとの回答がありました。

他方で、みなし規定(改正派遣法40 条の6)の適用可能性の判断に関し、善意無過失については認定する場合があるが、偽装請負等(改正派遣法  条の6第1項5号)の脱法目的は判断が難しいため一切認定しないとの回答がありました。これに対し、村田浩治弁護士や河村学弁護士から、脱法目的について一切認定しないとなると、会社側が脱法目的について自白しない限り、労働局の指導・勧告がなされないということになってしまう、認定しないとの法律の根拠規定もなく、脱法目的が明らかな場合は認定した上で指導すべきではないか、などの指摘がありました。しかし、労働局の担当者の回答は変わらず、脱法目的については判断しないとの態度を変えることはありませんでした。

このほか雇用保険については、従前派遣会社からの離職票の交付について、派遣契約終了後一ヶ月待たされるような扱いが派遣会社で行われてきた点について、労働局から、1週間  時間以上の派遣先が見つかる見込みがあり、かつ労働者が派遣元の紹介を受ける意思がある場合は交付を待たないといけないが、それ以外の場合は、派遣契約終了後  日以内にハローワークに派遣元が離職票を提出しなければならないとの回答を得ました。
今回の懇談会では、改正派遣法の下で、どのような指導が行われるか、40 条の8の指導・勧告の内容などについて、労働局の考え方・方針を知ることができました。その中で脱法目的について認定しないなどの労働局の指導方針についての問題点が浮かび上がりました。この問題点については、今後派遣研で検討していきたいと思います。

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