民主法律時報

ストップ! エグゼンプション 2.25緊急集会

弁護士 須 井 康 雄

 2015年2月25日、エル ・おおさかで残業代ゼロ法案(ホワイトカラーエグゼンプション)に反対する集会が開かれ、100名以上が参加した。
集会では、毎日新聞記者の東海林智さんから、異常な長時間労働に対する本格的規制がないこと、労働者が所得によって分断されること、現在は所得基準が1075万円とされているが、小さく生んで大きく育てるという考えで、どんどん所得基準が引き下げられる危険が大きいことといった問題点が紹介された。
続いて、大阪大学人間科学研究科のスコット・ノースさんから、アメリカでのホワイトカラーエグゼンプションの導入による影響が紹介された。アメリカの例から学ぶ点として、①残業代支払義務の例外(エグゼンプション)の労働者が必ず増加し、②法令にある労働状況や職種の定義が時代に合わなくなり、③法令が想定していなかった職種が次々と現れることにより、紛争や混乱が生じるとのことであった。結局、企業の平均利潤率だけが6%から12%に上がったとのこと。
その後、過労死で亡くなられた方のご遺族や労働組合、NPOの方によるリレートークがあった。そのなかで、損害保険業界で①「みなし労働時間制」と②「私的時間」の除外ということが広がっているという話があった。私的時間とは、あらかじめ労働者が勤務時間中にタバコなどで私的に過ごす時間を申告させ、労働時間から控除する制度とのことである。初期設定が  分とのことで、トイレの時間まで入れることになっているという話があった。ホワイトカラーエグゼンプションでは、「労働者が創造的な能力を発揮しながら効率的に働くことができるように」などとうたわれているが、トイレの所要時間まで申告するような働き方で、創造的な能力など発揮できるのだろうか!?
個人的な話であるが、担当したある過労死の事件で、和解の席上で、会社側役員から謝罪の言葉が述べられることがあった。「最低賃金法を守らずに申し訳ありませんでした」「残業時間の規制を守らずに申し訳ありませんでした」。次々と繰り出される言葉は、いずれも余りに基本的なルールに関するものだった。基本的なルールを守っていれば、その方が亡くなることはなかったのだと、強く思った。
何としてでも残業代ゼロ法案の成立を阻止する必要がある。残業代がもらえなくなるのであれば、日を決めて、全国的に残業を一斉に拒否する取り組みをしてはどうか。労働者は、残業をしなくても、仕事が回っていくことに気付くかもしれない。使用者は、残業代をきちんと支払ってでも、仕事をしてもらうことの価値に気付くかもしれない。

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