民主法律時報

「2014年春の憲法学習講座」―石川康宏さん講演に200名が参加

弁護士 野 条 健 人

 3月26日午後6時30分から、大阪府教育会館にて、大阪憲法会議・共同センター主催の「2014年 春の憲法学習講座」が開催され、200名を超える参加者があった。それぞれ参加者が「学習を力に」との副題にあるように、熱心に話に耳を傾けていたのが印象的であった。
 メイン講演は、石川康宏神戸女学院大学教授の講演で、自民党政治の暴走、歴史認識での国際孤立等の現状の政治問題から、求められる「新しい政治像」についてまで、多岐にわたって講演された。どの内容も先を見据えた内容であり、充実した内容の講演であった。
 講演内容は概ね次のようなものであった。
 自民党の政治がめざす日本社会は、2010年策定の自民党新綱領にある。そこには、自民党の日本国憲法改正草案の下地が既に出来ており、要は、天皇中心の復古主義的社会にする、アメリカとの共同戦争ができる国になる、大企業優遇、国民は貧乏でも自己責任で生きる国を目指している。
 このような危険を知れば大抵の市民は賛成しがたいものである。
 では、我々は、どのようにすればよいのであろうか。
 石川先生は、学び広めることが必要であることを強く訴えていた。日本社会は、①財界中心、②アメリカのいいなり、③侵略戦争の正当化で染まっている。「敵」は、不当な社会を「正当」化するために、あらゆる手を講じてくる。それらに対抗するためには、社会の表面でなく根本をつかむ社会科学の基礎を「学ぶ」こと、そして、ネットの活用に習熟し、個人の発進力を鍛えていくことが重要であるとのことであった。
 2015年には、統一地方選挙、2016年には衆議院・参議院選挙を控えている。「戦争ができる国」や新自由主義の社会を突き進む勢力には未来がないというためには、我々も市民的教養を豊かにし、その「学び」を運動論に生かすことが重要である。
 「学び広めることが必要」という言葉を胸にし、自らも「学び」を運動論に生かしていきたい。

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