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[労働]に関する記事

「労働者の」使用者に対する「制裁制度」の確立へ

2019年12月15日

島根大学名誉教授 遠藤 昇三  労働者の様々な非違行為に対してあるいはそうしたものがあると称して、使用者は、労働者に対し懲戒処分を行います。使用者に懲戒権があることについては、法的な常識であるとともに、社会的にも当然の事態とされています。裁判上でも問題となるのは、使用者の懲戒権の存否、懲戒権の根拠レベルではなく、当該懲戒処分が有効か無効か、あるいは有効としていわゆる量刑的に過重か否かということで...

裁判・府労委委員会例会報告 学童保育の先生の地位が、 こんなに不安定でよいのか? ―堺学童保育指導員労組への不当労働行為事件―

2019年12月15日

弁護士 下迫田 浩司 1 はじめに 2019年11月18日、裁判・府労委委員会の例会がエル・おおさかで開催されました。今回は、堺学童保育指導員労働組合への不当労働行為事件(以下、「本件」といいます。)の労働委員会における闘いについて検討しました。 まず、弁護団の冨田真平弁護士が中心的な報告を行い、適宜、弁護団の村田浩治弁護士が補足説明をしました。その後、堺学童保育指導員労働組合の谷口...

日本労働弁護団第63回総会レポート

2019年12月15日

弁護士 加苅  匠 1 日本労働弁護団総会@岡山 2019年11月8日(金)から9日(土)にかけて、岡山県で日本労働弁護団第63回総会が開催されました。全国各地から労働問題に取り組む弁護士、労働組合など、総勢200名ほどが参加しました。 2 1日目~幹事長報告、記念講演、報告討議~ はじめに、棗一郎幹事長より、日本労働弁護団の活動方針が示されました。労働課題は山積みとなっている...

ILO訪問記

2019年12月15日

弁護士 喜田 崇之 1 はじめに 2019年10月27日~28日、年金引下違憲訴訟弁護団を代表して私が、全日本年金者組合の有志らと共に、スイス・ジュネーブにあるILO事務所に訪問しました。今回の訪問の目的は、大きく2つです。 ①日本の年金制度の様々な問題点を伝えること、②日本の年金水準がILO102号条約の求める水準に到達していないことを伝えることです。 我々は、法的基準専門官...

パワハラ指針素案の内容と問題点

2019年12月15日

弁護士 足立 敦史 1 はじめに 2019年5月29日、「ハラスメント防止法」(呼称)が成立しました。 同法は、我が国で初めてパワーハラスメントについて法文で規定し、その防止をするための措置を講じる義務を企業に課した点に特徴があります。 同法は、パワハラを、「職場において行われる優越的な関係を背景とした言動であって、業務上必要かつ相当な範囲を超えたものにより、その雇用する労働者...

フジ住宅ヘイトハラスメント事件 尋問期日のご報告

2019年12月15日

弁護士 冨田 真平 1 フジ住宅ヘイトハラスメント事件とは、「韓国人は嘘つき」などの民族差別的な文書を社内で全社員に配布したり、育鵬社の教科書を採用させるために従業員を教科書アンケートに動員するなどした会長及びフジ住宅の行為に対して従業員の在日コリアンの女性が損害賠償を求めた事件です(大阪地裁堺支部、中垣内健治裁判長)。詳しい事件の内容につきましては、民主法律時報2015年10月号をご参照くださ...

パワーハラスメント防止指針素案に反対し 抜本的修正を求める声明

1 2019年5月29日にパワーハラスメント(以下「パワハラ」という)について事業主に防止対策を義務付ける改正労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)が成立した。来年6月1日の施行に向けて,現在,厚生労働省労働政策審議会雇用環境・均等分科会(以下「労政審」という)において,パワハラに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の策定が議論されており,本年10月21日には指針の素案(以下「素案」と...

パワーハラスメント防止指針素案に反対し抜本的修正を求める声明

2019年11月18日

1 2019年5月29日にパワーハラスメント(以下「パワハラ」という)について事業主に防止対策を義務付ける改正労働施策総合推進法(いわゆるパワハラ防止法)が成立した。来年6月1日の施行に向けて,現在,厚生労働省労働政策審議会雇用環境・均等分科会(以下「労政審」という)において,パワハラに関して雇用管理上講ずべき措置等に関する指針の策定が議論されており,本年10月21日には指針の素案(以下「素案」と...

《書籍紹介》岩波ブックレット 『過労死110番  働かせ方を問い続けて30年』森岡孝二・大阪過労死問題連絡会 編

弁護士 上出 恭子 1988年4月に全国にさきがけて大阪で初めて実施をされた、弁護士による過労死に関する無料相談「過労死110番」は、過労死救済に向けて大きな取組みとなりました。2018年4月に大阪過労死問題連絡会が行った「過労死110番30周年記念シンポジウム」の内容を一部加筆してまとめたものを、この度、岩波ブックレットとして発刊しました。 本ブックレット発行の発案者である、大阪過労死問...

《書籍紹介》豊川義明著『労働における事実と法 ――基本権と法解釈の転回』(日本評論社)をどう読むか

弁護士 鎌田 幸夫 1 本書の特徴はどこにあるか 本書は、実務家の執筆した数少ない理論書である。学者の理論書との違いは、著者が自ら担当した数多くの事件を素材に、実務家の視点から労働法の基礎理論、解釈論、権利運動の課題を幅広く展開しているところにある。本書は、2つの特徴がある。 第1は、時代を反映した裁判闘争史という性格を持つことである。判決の字面だけでなく、どのような時代背景のもとに...