派遣労働者のためのネット相談・ アンケート等についての記者会見 及び各政党への要請活動の報告

2018年10月15日

弁護士 冨田 真平

 2017年9月より実施している派遣労働者のためのネット相談及びアンケートにこの間多数の派遣労働者の声が寄せられていること及び2015年の派遣法改正から3年が経過し見直しの時期を迎えることを受け、非正規労働者の権利実現全国会議(非正規会議)のメンバー(民法協会員では村田弁護士と冨田)及び申込みみなし規定(派遣法40条の6)の裁判を闘っている派遣労働者1名で、2018年8月31日、厚生労働記者クラブで記者会見を行い、また派遣法見直しについて、各政党への要請活動を行った。

上記ネット相談については、本年の権利討論集会等でも報告したが(民主法律305号(2018年権利討論集会特集号) 32頁以下をご参照いただきたい)、本年の8月末までに250件以上のアンケート回答及び120件を超える相談が寄せられた。特に本年7月以降は3年の期間制限によって更新を拒否されたという派遣労働者の相談が増加した。また、アンケートの自由記入欄には、「だれのための派遣法改正だったのか?」「派遣で3年働いたら自動的に派遣先に直接雇用してくれる制度にしてほしい」「本当にモノ扱いというのが実感です。」「(16年間今の職場で働いていたが派遣切りにあい)正直この16年間が実に悔しく感じる」など派遣労働者の生の声が寄せられた。

記者会見では、上記のようなアンケート結果や相談内容、派遣労働者の生の声を紹介し、2015年の派遣法改正によって直用化がほとんどすすまず、ほとんどの派遣労働者が3年の期間制限で切られている一方で、企業側は人を変えて派遣を受け入れ続けている現状、直用の際の派遣会社への手数料なども直用を妨げる要因になっていることなども訴え、事業所単位の期間制限の延長を認めず、人単位の期間制限を撤廃し業務内容にかかわらず同一部署における派遣受け入れ期間の制限を3年とするなどの改正が必要であることを訴えた。

また、2015年10月に施行された直接雇用申込みみなし制度も施行から3年経過し同様に見直しの時期を迎えていることを踏まえ、兵庫、大阪、名古屋各地裁でのみなし規定裁判の状況を報告するとともに、主観的要件が労働局の指導に当たって障害となっている現状なども報告し、みなし規定についても主観的要件をなくすなど改正の必要性があることを訴えた。

記者からはアンケート結果や相談内容、派遣法改正の内容などについて質問が多数あり、翌日朝日新聞や赤旗に掲載されるなどマスコミでも取り上げられた。
記者会見の前後には、自民党、公明党、共産党、立憲民主党、国民民主党に上記のような改正の必要性を訴えた要請書を手渡した。
当日の様子は非正規会議のHPにもアップしているため、是非こちらもご参照いただきたい(http://hiseiki.jp/whatsnew/180901_pressconference.php)。

今後2015年改正から3年を迎え、多数の相談が寄せられることが予想される。派遣研究会でも今後の取り組みを検討しているが、上記ネット相談について相談体制をさらに充実させていく必要がある。(現在も多数の弁護士会員・学者会員の方にネット相談のMLに登録いただきあるいは相談担当者になっていただいているが)、弁護士会員の皆様におかれては、是非ネット相談担当者にご登録いただきたい。