民主法律時報

「世界で一番新しい“ネパール憲法”を国民生活の中に」 誇り高く報告された COLAP(コラップ)Ⅵ

高槻年金者組合 大矢  勝

 第6回アジア太平洋法律家会議(コラップⅥ=COLAP6)は、2016年6月17~19日、ネパールの首都カトマンズで開催された。2015年6月に予定されていたのだがネパールの大地震で中止、ネパール法律家の強い要請で1年遅れのカトマンズ開催となった。
前回コラップⅤ=COLAP5は2010年フィリピンで開催され、“憲法9条を国際規範に”と5メートルの横断幕を掲げて参加した。フィリピンの貧困問題、弁護士の厳しい活動の報告があった。私は1993年以来、民法協・国際交流委員会で国鉄闘争への国際的支援要請発言をしてきたが、前回コラップⅤでは  年にわたる国鉄闘争がようやく解決する大きな動きの中で支援のお礼発言をし、大きな拍手を頂いた。私は、今回コラップⅥ(ネパール・カトマンズ)には“ソリダリテイーナイト”=各国との交流係として、スタデイツアー・ポカラのヒマラヤ展望を目的に参加した。
ネパール首相が歓迎挨拶され、2015年9月20日に発効した308条からなるネパール憲法を「この世界で一番新しい憲法を多民族・多言語ネパール国民の中で実現することである」と誇り高く報告された。
ネパール法律家の熱意が今回のコラップⅥを成功させた。22名の日本代表団(大阪から8人)は、安倍暴走政治止める野党・市民の共闘、核兵器廃絶、原発ゼロ、福島原発被害の現状、沖縄辺野古新基地作らせない、日本の貧困問題、などのたたかいを発言し成功に大きく貢献した。

 第1分科会は世界平和と地域平和の課題で、沖縄の喜多さん、名古屋の飯島さん、埼玉の大久保さんが発言、第2分科会は人権の課題で、大阪の中峯さん、東京の長谷川さん、東京のヒルさんが発言、第3分科会は経済発展の権利で、大阪の神戸さん、東京の磯部さん、横浜の相曽さん、埼玉の大久保さんが発言した。第4分科会は民主主義を脅かすもので、大阪の安原さん、東京の菅野さん、広島の中坂さん、東京の高部さんが発言した。閉会総会では第1分科会報告に続き、第2分科会報告を東京の長谷川さんが流暢な英語で報告し拍手喝采を受けた。

 カトマンズ宣言が提案され、各国の参加者が次々と手をあげて発言、取り上げられいっそう充実した宣言に練り上げられた。この盛り上がりは見習うべきものであった。

 アジア・太平洋法律家協会(Confederation of lawyers in Asia Pacific = COLAP)の設立、役員が提案され、笹本潤弁護士が事務局長(Secretary general)、長谷川弥生弁護士が会計(Treasurer)に選出された。恒常的な組織としての活動が期待される。日本の法律家は世界から期待されている。今回参加の若い皆さんと一緒に、笹本さん、長谷川さんを支えて大きな役割を果たさなければと決意したアジア・太平洋法律家協会の発足であった。
役員が一堂に紹介され、カメラフラッシュのなか閉会。参加者は役員と記念写真で楽しんだ。

 祝賀の席に移動、芝生に雨が降っている。開催が危ぶまれたが、日本代表団は準備してきた“日本紹介”を食堂で披露した。“ソリダリテイーナイト”。
核兵器廃絶のたたかいを英訳ナレーションで報告、希望ある子どもたちの未来へ核兵器廃絶国際署名を訴えた。(サミット参加のオバマが初めてヒロシマを訪問し、原爆資料館訪問と被爆者との交流。2008年プラハ発言を一歩進めた広島発言。核兵器廃絶国際署名大成功を。演奏)。わらべ歌を唄いながら2枚の横断幕を広げ、持参の幟・団扇・スーパーボール・スポーツボール・デイズニーボールを手渡して交流。私の最大の役割で緊張。大雨が降ってきて危ぶまれたが、日本代表団20人一致の熱意で演奏できたのが嬉しかった。

 ポカラへのスタデイ・ツアー(6月20~23日)は、“フェワ湖(Phewa Tal)=平和湖”湖畔レストランから水牛の水浴び、ボートからの景色を楽しみ、トレッキングと早朝展望のマチャプッチャレ(魚の尾)岳はガスに阻まれ、ようやく顔を出した“魚の尻尾岳(6,993メートル)”をホテルの遠望で満足することとなった。
30人乗りセスナ機は雲が低く欠航、ポカラから9時間の山越えでカトマンズへ。沿線には80もの民族・言語が生活していると言われるとおり、山から落ちる小さな川に沿って何処にも集落が点在、トウモロコシ畑が連なる。山の上から大きな河までの小さなちいさな棚田はちょうど田植時。バスやトラックの運転手は警笛を鳴らしながら狭い道路を追い越して行く(長閑な景色と民族性?)。

 “Right to Peace”国連平和人権宣言「採択」に向けての議論は、2009年から国連欧州本部・人権理事会で行われてきた。ようやく採択される局面を迎えている(人権理事会最終日の7月1日採択された。賛成  ヶ国、反対9、棄権4。個人の平和への権利が国連の機関で初めて採択された。嬉しいじゃありませんか)。そしてニューヨーク国連総会での“宣言”採択となる。“平和は人権だ”と大いに活用したいものである。

 日本語オンリーの大矢君の一知半解の報告となりました。「コラップⅥ報告会」「日本の法律家が国際的に果たすべき役割」「アジア・太平洋法律家協会のこれから」「“Right to Peace”平和は人権だ」などの勉強会開催を期待します。

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