弁護士 谷口 真由
2026年4月20日(月)にブラック企業対策!労働判例ゼミを開催しました。テーマは「【雇止め法理】労契法19条1号・2号に関連する論点」です。参加者数は、14名(zoom4名+現地10名)でした。今回は、更新途中で「更新上限(不更新条項)」が導入された事案を中心に、3つの判例を検討しました。
まず日本通運事件(東京高判令和4年11月1日)は、更新途中で挿入された5年上限条項の有効性が問われました 。高裁は、担当業務の受託終了という客観的事実に基づき、最終的な契約満了時において更新への合理的期待を否定しました。次に山口県立病院機構事件(山口地判令和2年2月19日)は、約7年勤務後の規則改正による5年上限設定が争われました 。判決は、改正前に既に合理的期待が生じており、公正な評価基準を欠く「雇用継続審査」による雇止めは無効と判断しました。最後に博報堂事件(福岡地判令和2年3月17日)は、30年にわたり29回更新した事務職への5年上限適用事例です 。判決は、長年の勤務により定年までの高い更新期待があったと認定 。不更新条項への署名のみで期待は消滅せず、雇止めを不当としました 。
判例の報告を受け、更新の合理的期待が存在しているべきタイミングについて、特に議論がされました。更新の合理的期待は雇止めの時に存在していればよいのか、代理人としては不更新条項が導入された時点で更新の合理的期待が生じていたと主張すべきか、更新の合理的期待は一度生じたら継続してあり続けるものであり、それが不更新条項の導入により減殺されるという理屈になるのか、各判例でどのように判断されているのか検討の上、議論がされました。
次回判例ゼミは、2026年6月15日(月)18時から、zoomも併用して開催します。ぜひご参加ください。







