民主法律時報

10月開催 ブラック企業対策!判例ゼミについて

弁護士 徳田 寛生

10月20日(月)にブラック企業対策!労働判例ゼミを開催しました。テーマは「【雇止め法理】労契法19条の申込みと拒絶」です。参加者数は12名(zoom7名+現地5名)でした。参加者は弁護士、労働組合の方々だけでなく、プレ研修生1名も参加されていました。

今回、検討裁判例としては、「申込み」の存否が争われた①共同交通事件(札幌高判令和2年2月27日 判例時報2461号53頁)、②アンスティチュ・フランセ日本事件(東京地判令和4年2月25日 労判1276号75頁)と、使用者による新たな労働条件での更新の申込みを労働者が拒否した場合における労契法19条の適用関係が問題となった③学校法人河合塾(雇止め)事件(東京地判令和3年8月5日 労判1250号13頁、東京高判令和4年2月2日 労判1271号68頁)を扱いました。

参加者間では、判例①について、更新時に使用者が更新手続きにつき丁寧に説明すべきといった意見や、判例②について無期転換権が行使できたのかについて議論がなされました。また判例③については、文書配布だけで懲戒解雇になる就業規則は厳しすぎではないかといった意見や、使用者が授業アンケートの結果を踏まえて丁寧に指導すべきであったのではないかといった指摘、プレ研修生からは、留保付き承諾は問題とならないかなどといった鋭い質問も出るなど大変有意義なゼミとなりました。

次回の判例ゼミは、12月22日(月)午後6時からzoom併用で開催します。テーマは「【雇止め法理】労契法19条1号・2号に関連する論点」で、検討判例は①雇用関係存在確認等請求事件(東京地判令和3年3月19日)②龍神タクシー(異議)事件(大阪高判平成3年1月16日労判581号36頁)③学校法人梅光学園ほか(特任准教授)事件(広島高判平成31年4月18日労判1204号5頁)です。次回も皆様と活発な議論ができればと思いますので、皆様のご参加をお待ちしております。申込みフォームはこちら

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