民主法律時報

派遣研究会と労働局との懇談会報告

弁護士 脇山 美春

1 懇談参加者・懇談時間

2020年10月7日、毎年恒例の、労働局需給調整事業部と民法協派遣研究会との懇談会を開催した。
懇談の時間について、事前に労働局から、新型コロナウイルスの感染予防のため、懇談時間は30分間で、と言われていたが、14時35分から15時15分までの合計約40分間、懇談をした。

2 懇談で得られた労働局の回答

(1) 派遣法31条の2第2、3項の説明義務違反を理由とする派遣労働者からの相談があれば、労働局は指導する。公示している職種と異なった職種に派遣労働者を就労させたとする相談があった場合には、派遣労働者からの聴き取りを行ったうえで、実態を調査し、実態が職種と異なる場合には、実態に沿った形に修正するよう指導する。職種の修正ではなく、経験年数やグレードの変更を指導する場合もある。

(2) 令和2年6月の事業所ごとにおける派遣先均等均衡処遇方式と労使協定方式の件数もしくは割合については、現時点では集計中で回答できない。担当者の体感として、労使協定方式が多い。

(3) 均等均衡処遇方式に関し、待遇格差の不合理性や、職務の内容、配置の変更の範囲の同一性についての判断を行う。短時間・有期雇用労働者および派遣労働者に対する不合理な待遇などの禁止に関する指針(ガイドライン)等に基づいて、その都度個別具体的に判断する。交通費などについても同様に、ガイドライン等にしたがって判断する。ガイドライン等に違反し、派遣法違法と判断できれば、指導を行う。均等均衡方式に関する指導があった場合には、他の事業主や派遣労働者に対し、指導例として説明をすることはある。

(4) 労使協定方式について、派遣法40条の4第1項の手続き上の不備があれば、同項の労使協定として認められない。労使協定方式の労使協定に不備があった場合、派遣先均等均衡方式に戻るはずだが、労使協定の一般基準に戻すように是正するよう指導する。

(5) 行政ADRは、形式としてはあっせんに近い。派遣労働者からの相談があった場合に、そのような制度があることを説明し、ADRを選択するかの判断を任せる。ハローワークと大阪の派遣元労働者に対しパンフレットを全て郵送しており、各ハローワークにはこれが設置されていて、周知がなされている。法制度周知のセミナーも開催しており、セミナーには派遣労働者であればだれでも参加できる。

 派遣研究会からは、派遣先均等均衡処遇方式と労使協定方式の件数もしくは割合・ADRについて、統計的な数字を公表してほしい、と要望を出した。

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