民主法律時報

2024年権利討論集会のご報告

事務局長・弁護士 藤 井 恭 子

1 3年ぶりの会場参加中心開催

2月17日、2024年権利討論集会を開催いたしました。今年度は、全体会をハイブリッドで開催し、分科会は第3分科会を除いて、会場のみで開催いたしました。新型コロナウイルスの流行が始まってから、権利討論集会はWe bと会場のハイブリッドで実施してきましたが、今回は、3年ぶりに会場での参加を中心とする開催となり、会場参加者はのべ188人、Zoom参加者はのべ39人でした。

黒澤幸一 全労連事務局長

2 記念講演「新時代の労働運動とは」

記念講演は、全労連事務局長の黒澤幸一さんをお招きし、「新時代の労働運動とは~『たたかう労働組合』が本流となることをめざして」と題してお話をしていただきました。

未曾有の物価高と長年に及ぶ実質賃金の低下により、日本の労働者は、暮らしを守ることすら困難な状況に陥っています。非正規労働が広がり、極めて低い賃金で働くことを強いられる労働者が増加し続けています。また、業務委託など雇用契約によらない働き方が広がり、いかにして働く人を守るかが大きな課題となっています。

黒澤さんは、多方面から日本の労働組合の現状を分析した上で、労使協調ではなく「たたかう労働組合」が本流にならなければならない、と強調されました。

日本では労使対等の原則が形骸化して、労働者側がストライキを避けてしまっていることが努力しない企業を作ることにつながり、賃金が上がらない原因となっているとの韓国の研究者からの指摘も紹介されました。

昨年、日本ではそごう西武においてストが実施され、全国的に共感が広がりましたが、ストライキの数は極めて少ない状況が続いています。ストライキの数と賃上げ率の推移は正比例しており、国際的にみても、日本のスト数は極端に少ない状態です。

そごう西武のストが大きく報道され、労使協調路線から、ストライキを辞さない「たたかう労働組合」へと転換していくことが期待されています。

また、日本の労働組合を「たたかう労働組合」へ転換していくためには、仲間を増やし、労働組合の存在感を強めていかなければなりません。一朝一夕で解決できることではありませんが、職場での対話で、労働者一人一人の意識を変えていくことが大事だと強調されました。職場からの要求を実現するために組合に入ること、団結して要求すれば変わるということを広く発信し、浸透させていかなければなりません。

仲間を広げ、団結して要求を実現していくという、地道な活動の重要さと難しさを再認識しました。講演では、要求を掲げて仲間を広げていく職場での活動だけでなく、Youtube配信など、新しい形で裾野を広げる活動も紹介されていました。私たち民法協は、労働現場の一つ一つの声を取りこぼさず、大きなうねりに変えていく挑戦を止めてはいけないとの思いを新たにしました。

3 終わりに

記念講演後、丹羽徹龍谷大学教授より、「いまこそ日本国憲法を活かすとき」と題して特別報告をしていただきました。ロシアによるウクライナ侵攻が続き、また、昨年からパレスチナでも、イスラエルとの武力衝突が発生し、多数の市民が犠牲を強いられるなど、国際情勢が緊迫しています。報告では、パレスチナ問題が「戦争」ではなくジェノサイドであること、またガザの人たちの過酷な状況を紹介いただきました。このような情勢下で、平和憲法を擁する日本が果たすべき役割とは何なのか、考える機会をいただくことができました。

全体会は、記念講演と特別報告の2本立てとなり、駆け足での進行となってしまいましたが、皆さまのご協力のもと、盛りだくさんの内容を滞りなくお届けすることができました。5つの分科会も充実した内容となり、盛会のうちに権利討論集会を開催できたこと、改めて皆さまに感謝申し上げます。

民主法律時報アーカイブ

アーカイブ
PAGE TOP