民主法律時報

裁判・府労委委員会 例会 枚方市組合事務所事件について

大阪労連 藤 原 邦 昭

 裁判・府労委委員会は6月13日に「枚方市組合事務所事件について」をテーマに21人参加で例会を開催しました。

最初に弁護団の西川大史弁護士から事件の発生までの経過を詳しく話して頂きました。

現在の伏見市長になってすぐに、これまで認めていた組合役員の在籍専従を、一方的に認めなくなりました。また、市民運動の連絡先が組合事務所になっていたことについて「市民から連絡があった、これはどういうことか」とのクレームが当局から入りました。

枚方市職労が発行する機関紙に、戦争法やTPPなどの批判や、安倍政権や維新政治を批判する記事を記載すると、市当局から「政治的活動」とのクレームがその都度出されました。その後、市当局と市職労の間で機関紙の記事についての話し合いが求められるようになりましたが、市当局は、計9回にわたって、組合機関紙の政治的表現を指摘して掲載を控えるよう通告し、組合事務所からの退去を通告してきました。これに対して市職労は要求書及び団体交渉申し入れ書を市当局に提出しますが、市当局はこれを拒否します。市職労は2019年2月に大阪府労働委員会へ不当労働行為の救済申立てと、同時に組合事務所の実効確保の措置を申立てしました。実効確保については、調査前に労働委員会から文書要望が出されました。

2020年11月30日、府労委は組合事務所からの退去を通告したことは不当労働行為であるとしながら、機関紙への介入については、具体的な事実の疎明がないとして支配介入を否定する命令を出しました。市当局は大阪地裁に命令取消訴訟を提訴、2022年9月7日の判決では市当局の請求を棄却して、府労委の命令を維持、市当局は控訴しました(高裁判決は本ニュースの河村学弁護士の記事を参照して下さい。)。市職労は、中労委に機関紙についての不当労働行為救済を求めて再審査を申し立てましたが、2023年2月22日に府労委の命令を支持して組合の再審査請求を棄却する命令を出しました。

例会の最後に市職労の市本執行委員長は「最終的には市当局と話し合いで解決していきたいので、今後も皆さんのご支援をお願いします」と力強く語りました。

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