民主法律時報

2023年度第1回労働相談懇談会「雇用契約書の記載事項と 社会保険・雇用保険の加入条件」

おおさか労働相談センター
事務局長 福 地 祥 夫

2022年12月1日(木)に2023年度第1回労働相談懇談会を国労大阪会館で開催しました。今回は「役員の世代交代に伴って労働相談に関する初歩的な学習が必要になっている」とのアンケートを踏まえ、労働相談学習の入門編として「雇用契約書の記載事項と社会保険・雇用保険の加入条件」について学習しました。当日は5産別・9地域の相談担当者に加え、弁護士や大阪労連役員など30名の参加がありました。

労働情勢報告
労働裁判・労働委員会に見る労働情勢の報告は大阪中央法律事務所の佐久間ひろみ弁護士が担当、コロナ禍による「業績悪化を理由に行われた雇い止めは不当だ」とした元パート従業員女性の訴えを「客観的合理性・社会的相当性を欠いたものとは言えない」として退けた京都地裁判決(9/21:民主法律時報11月号掲載)やコロナ禍を理由に団交を拒否するのは不当労働行為にあたるとして救済申立を行った医労連・国共病組大手前支部の問題(民主法律時報 月号掲載)など2022年9月から11月までの報告が丁寧な解説を加えて行われました。

今回報告された25の事件のうち10の事件がハラスメント問題に関わる事件でした。上司や同僚個人によるハラスメント攻撃、出勤拒否・停職・免職など会社組織からのハラスメント攻撃によって、心と体を傷つけられた被害者の心情を考えると、全員参加の社内研修や定期的なアンケート調査を義務付けるなど「安全配慮義務」に基づいた事業所責任の明確化と罰則規定を加えた法整備の必要制を痛感しました。

学習会
学習会の講師はおおさか労働相談センターの宮崎徹事務局次長が担当、雇用契約書の法的な位置づけに始まって必要な記載事項など入門編にふさわしい内容で進められました。社会保険と雇用保険の加入条件についての学習では、税制上の扶養と社会保険上の扶養の違いや対象となる収入項目の違いなどを含めてフローチャートを使った丁寧な説明がありました。

また賃金・退職金立替払い制度内容の説明、労働・社会保険の料率表も提示され、参加者からは「資料など、今後に役立つ」、「原点に戻れる内容で良かった」、「日々情報収集の必要性を感じた」などの声が寄せられていました。

学習会での質疑では、化学一般から「退職後1ヶ月経つが会社が離職票を出さない、どう対処すれば良いか」との質問があり、高松副所長から「1ヶ月経っても離職票が出ない場合は事業所所在地のハローワークに」とのアドバイスがありました。

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