民主法律時報

民法協・第63回定期総会のご報告

事務局長・弁護士 須井 康雄

 2018年8月25日、中之島公会堂地下大会議室で、第63回定期総会を開きました。
萬井隆令会長の挨拶ののち、前半は、ジャーナリストの志葉玲さんに「戦争の現場から~私たちにできること~」という演題でご講演いただきました。志葉さんは、イラク戦争の現場をはじめ戦場で様々な取材活動を行い、反戦のための情報を発信してきました。罪もない市民が銃弾や爆弾に苦しむ写真が何枚も紹介されました。戦争の非人道さをあらためて聴く者に焼き付け、憲法9条改正の反対運動に取り組む決意を新たにさせました。また、神奈川県川崎市で開かれる日本初の軍事見本市の話もありました。見本市で笑いながら武器を手にしている人間の映像は、安倍総理が戦争のできる国づくりを進めてきたことを如実に示すものであり、強い憤りを呼び起こしました。

後半の冒頭では、岩城穣会員から2018年8月1日に亡くなられた森岡孝二関西大学教授の功績をご紹介いただき、参加者全員で黙とうをしました。過労死根絶のため、亡くなる直前までご尽力くださいました。
続いて、私から、2018年度の活動報告と、2019年度の活動方針案を報告しました。その後、①鎌田幸夫幹事長より、働き方改革推進法成立後の取組、②村田浩治弁護士より非正規労働者の均等待遇のための取組、③当事者の方よりエミレーツ航空事件のご報告、④同じく当事者と組合の方から関大事件のご報告、⑤杉島幸生弁護士より憲法改正、国民投票法に対する取組、⑥過労死を考える家族の会の寺西笑子さんから働き方改革推進法に反対してきた取組をご報告いただきました。
その後の討論では、大阪地裁第5民事部(労働専門部)の在り方に関する取組や、憲法改正に反対する取組を強化すべきとの意見が出されました。

続いて、2018年度の決算報告と2019年度の予算案の提案を行うとともに、新聞労連の伊藤明弘さんが会計監査報告を行い、質疑応答を経て、活動方針案及び決算、予算案が承認されました。
その後、①高度プロフェッショナル制度の廃止、残業時間規制の上限の引下げを求める決議、②憲法改正に反対する決議、③都構想、カジノ誘致に反対する決議が質疑応答を経て、修正のうえ採択されました。
続いて、人事案が承認され、退任事務局と新任事務局があいさつしました。退任されるのは、大阪労連の遠近照雄さん、弁護士の西川大史さん、細田直人さん、馬越俊佑さんです。新任は、次長として、大阪労連の藤原邦昭さん、弁護士の辰巳創史さんです。また、2018年1月の弁護士登録よりすでに事務局として活躍いただいている加苅匠さんです。退任する事務局には、今後とも民法協のさまざまな活動にかかわってくださることを期待しています。
最後に、豊川義明副会長より閉会の挨拶をいただき、第63回定期総会は終わりました。

今年度も、個々の労働者の尊厳をかけた多くの争議への支援はもちろん、憲法9条改正反対、裁量労働制拡大や解雇の金銭解決制度反対、非正規の2018年問題、会計年度任用職員制度への取組など多くの課題があります。今年度もよろしくお願いします。

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