民主法律時報

改正派遣法学習会 「改正派遣法を知って裁判と団体交渉に活かそう!」が開かれました

弁護士 南 部 秀一郎

2015年11月24日、エルおおさか701号会議室にて、改正派遣法学習会「改正派遣法を知って裁判と団体交渉に活かそう!」が行われました。この学習会は、9月の改正派遣法成立そして10月からの施行を受けて、民法協主催で開かれたものです。その主眼としては、駆け足で成立、施行した改正派遣法について、学習することで、利用をしていこうというところにあります。当日は、各組合、ユニオンから30人を超える参加者が集まりました。

学習会では、講師の村田浩治弁護士から、まず、改正派遣法について説明がありました。村田弁護士からはまず、この改正派遣法は、2010年改正法で導入された違法派遣の「雇用申し込みみなし制度」の適用を待たずに改正したもので、改正の経緯は異常であるとの説明がありました。また、改正とともに50項目にもわたる付帯決議がつき、改正後即、修正がされています。
次に、厚生労働省の「改正労働者派遣法について」という説明資料を用いて、改正法について説明されましたが、そこで明確になったのは、制度をわかりやすくするとのもとで、専門  業務がなくなる、届け出制の特定労働者派遣をなくすなどしていますが、実際は派遣会社に対する規制が強くなったことはなく、また派遣労働者を守るはずの雇用安定措置も派遣元に義務が課せられ、実効性に疑問符がつくものであるとのことでした。

一方で、今回の改正で一番の問題点になっているのは、期間制限です。これまでの業務単位から、事業所単位3年、人単位3年へと変わり、個々の派遣労働者は3年で契約を切られるのに、事業所単位では、延長により派遣の受け入れを続けられるというものです。このことによって、過去の判例でいうと、マツダ事件の山口地裁判決が問題にした、派遣の期間制限を潜脱するために、一時的な直用と派遣契約を繰り返す行為を行う必要がなくなり、派遣がより広がりやすくなります。そこで大事になるのが、派遣の受け入れ期間延長の際に求められる、「派遣先労働者の過半数代表の意見聴取手続」です。この手続きについて、村田弁護士からは「派遣受け入れ期間の延長を行わなければ、人単位の問題が起こらない。しかし、組合で知識がなければ、延長に異議が言えない。」との問題提起がありました。民法協に参加されている組合にも、この延長についてしっかりとした取組をしていただくことが求められます。

次に、村田弁護士からは今回改正で、政府側が標的にした「雇用申し込みみなし制度」について、改正前に違法であったものは従前の例によるとされているとの大臣答弁がされたとの説明がありました。村田弁護士からはこのような場合について積極的に争っていくべきだとの指摘があったので、派遣研究会では事案を取り上げていきたいとのことでした。
このような村田弁護士の説明を受け、個々の組合から事例の報告や質問があった。改正派遣法は、安倍政権成立後、長期間にわたる改正論議で、労働者たちの反対の声を押し切り、強引に導入されたものではありますが、改正後でも、活用は可能です。参加者の間にそのような認識が広がり、組合でも学習が広がることを希望します。

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