民主法律時報

労働審判支援センター総会のご報告

弁護士 西 川 大 史

1 はじめに
2014年11月26日、おおさか労働審判支援センターの第9回総会が国労会館にて開かれました。参加者は19名です。

2 労働審判を使いこなそう!!
 総会では、今年の8月にエイデル研究所から発行されました「労働審判を使いこなそう」の著者の一人である村田浩治弁護士から、これまでの豊富な労働審判の経験を踏まえて、いかに労働審判を使いこなすかについての報告がありました。
労働審判法が施行された2006年当初、労働審判に適している事件は、労働者が金銭解決を希望する解雇事件、事実関係にあまり争いがない事件などに限定されるのではないかと言われていましたが、村田先生はこれまで派遣労働や事案複雑で難解な事案についても、労働者の希望を踏まえて積極的に労働審判を申し立て、勝利解決を導き出してこられました。村田先生からは、労働審判を利用するにあたっての心構えやテクニック(詳細は、著書「労働審判を使いこなそう」に書かれています。)に加えて、「労働審判は、これまで裁判官主導で行われてきた労働裁判とは異なり、労働者主導で行う手続」、「当事者が参加する手続」であることから、労働者の権利救済のために積極的に申し立てて活用していくことが重要であるとのお話しをいただきました。

3 労働審判の解決水準は低い?
労働審判支援センターでは、会員の皆さまに事件調査への協力をお願いして、集計分析に努めてきました。
この間、会員が担当された事件には、地位確認や残業代請求のみならず、いじめ・パワハラ、請負労働などの事案も多く、労働者の権利擁護に向けて、労働審判が利用されているようです。他方で、労働審判の解決水準の低下も窺えるようです。たとえば、解雇事件などでは、調停成立時までのバックペイに加えての、いわゆる+αの解決金が認められる事案が極めて少ないのが実情のようです。事案や裁判官の心証にもよりますが、解雇無効が明らかな事件でもバックペイのみの解決金しか認められないという事案も多々見受けられます。解決水準をいかに高めるか、今後の検討課題になることでしょう。
今後も権利討論集会や民法協総会などで労働審判の解決水準など分析結果を報告させていただきたいと思っておりますので、会員の皆様、引き続き労働審判事件調査へのご協力よろしくお願いします。

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