ここまで来たか 「 ポスト真実 」と共謀罪の関係

2017年05月15日

安保破棄大阪実行委員会 代表幹事 植田 保二

4月21日、憲法会議主催の春の憲法学習会が、18時30分から大阪グリーン会館で行われ、約100人が参加しました。
「ポスト真実 嘘とどう向き合うか」講演者は名古屋大学准教授の日比嘉高さんです。用意されたレジュメには、興味深い内容や考察もありました。時間の関係で端折られたのが残念ですが、余計に問題の深刻さを知らされました。「ポスト真実は、安倍政権だけでとどまらない。たとえ打倒されても、どう向き合うか継続する」と強調されたことにあります。米大統領選のトランプ氏の演説やイギリスのEU離脱国民投票など世界的なポスト真実の動きは、日本でも起こっていると指摘されました。

その第1にあげられたのが、ネット・ニュース環境の特殊性です。携帯、パソコンなどからの「Yahooニュースの圧倒的優位」と言われたときは、会場がどよめきました。おそらく何となく実感していた参加者の操作されている真実を指摘されたからでしょう。第2は、政治を抜きにした既得権益批判。公務員バッシングなど公共性の無理解です。第3は言い換え、婉曲話法で共謀罪をテロ対策と言い換える類(たぐい)です。第4は、嘘の質。ヘイトスピーチなど排外主義的な感情です。第5が公的文書管理の機能不全。陸自の日報「廃棄」答弁、森友学園での財務省の対応などです。

最後にポスト真実の時代に感情と結びついた事実の危うさを指摘され、事実を読み取るための「読解力」が必要とされました。民主書店の最新のベストセラーに沖縄タイムス社の「誤解だらけの沖縄基地」が上位にあります。そこで展開されている「辺野古座り込み者は金をもらって動員されている」などのウソの流布に対抗しなければならない時代に入っているのです。また座り込みの抗議意志に対して「共謀罪」の適用も考えていることに、政権の底深い怖さを感じます。

宮原たけし府会議員は、森友問題真相究明について「隠ぺい社会」をつくる維新府政となっていると指摘しました。森友学園の小学校認可以降進めてきた大阪府政の経過と都合のいい方向転換を逐次報告されました。その中で、名誉校長になった安倍昭恵さんが梶田私学審議会会長の勤務する奈良学園大学を訪問して会合を持っていた事実も明らかにされました。府議会では維新の会と公明党が隠ぺいと幕引きをはかるために必死になっているが、今後も徹底解明していきたいと決意されました。

「共謀罪」創設反対の大運動について自由法曹団の安原邦博弁護士は、まずこれまで3回法案が準備されたが、すべて廃案になってきた客観的な事実を押さえることが大事と説きました。また、法律制定にあたっては、そもそも必要性と許容性の二つがあり、必要性については、オリンピックでのテロ事件を想定して政府は宣伝しているが、国際条約批准のためという根拠はウソであること。東京オリンピック誘致で安倍首相は「日本は安全な国」と世界に豪語した矛盾も示しました。許容性の中で賛成論者が、「自分はしないし、関係ないから有ってもよい」という人をどう説得し、「反対」にしていくかが大事として、「治安維持法」の例を出して説得する観点を強調されました。朝日新聞(4/24 )に漫画家の小林よしのりさんが、「自由を奪われた羊は嫌だ」として、「(賛成する人は)『自分はやましいことはしない』と思い込んでいるんだろう。安全のためなら監視された方がいい感覚。わしはそんな国民にも腹が立つ」の指摘とダブリます。腹を立てるのは、自由を奪う安倍政権であることは間違いないのですが‥。

二人の報告で、それも10分程度の短時間で運動の進め方の要約をまとめられたことで理解を深めることができました。時代のトレンドを把握する絶妙の学習会でした。