1.23 子どもを守る取り組みを進める大阪市民交流集会のご報告

2013年03月25日

弁護士 高 橋 早 苗

 1月23日、「子どもを守る取り組みを進める大阪市民集会」が、アネックス・パル法円坂にて開催されました(主催は、大阪市学校園教職員組合、2条例制定を許さない大阪連絡会、子どもと教育・文化を守る大阪府民会議)。当日は学力テスト結果公表や、教育や学校をめぐる大阪市の状況についての報告がなされるとともに、各区における取り組みの報告と交流がなされました。また、最後に体罰による生徒の自殺が問題となった、桜宮高校の入試をめぐる緊急提言もなされました。

 学力テストの結果公表については、大阪教育文化センターの山口隆さんから全国一斉学力テストの問題点や結果公表のねらい、実施による弊害等についてお話がありました。全国的な学力調査のためには一部を抽出すれば十分であり、全国一斉の学力テストは必要ないこと、「全員参加型」の学力テストにより競争を強めるとともに、その結果を公表して子どもと学校のランク付けを行い、結局は「勝ち組」「負け組」を創出することになること、過去に実施した際には日本のみならず諸外国においても教員が子どもに答えをカンニングさせるなどの不正が相次ぎ、結果的に廃止に追い込まれたことなど、まさに学力テスト及びその結果公表は、百害あって一利なしのものであることがよく分かりました。

 また、大阪市の状況については、大阪市学校園教職員組合の舛田佳代子さんから、学校協議会の設置、学校活性化条例、学校選択制、授業力評価アンケート等についてどういった状況になっているのか、その問題点はどこにあるのかといったお話がありました。特に学校選択制については、学校選択制を先行して取り入れた東京都の三区の帰結として、学校格差の拡大、地域と学校が分断され子どもを介しての親のつながりも希薄になること、行政の支援が放棄され、格差・貧困の拡大が放置されることになるといった、学校選択制の持つ「選択の自由」という耳障りのよい謳い文句の一方で、様々な弊害が実際に生じていることが紹介されました。また、本来平等であるべき公教育が、個人の選択により結果についても自己責任を負わせるという本質的な問題点が存在することも指摘されました。そのほか、府・市教委が試行を始めた「授業力評価アンケート」は教員に非公開で授業改善につながらず、形式的な4段階評定が子ども・保護者に押しつけられ、その結果教員のランク付けだけが行われ父母との信頼関係を壊すものであるといった指摘がなされました。

 各区の取り組みの報告では、様々な地域から取り組みが報告されましたが、どの区でも地域の子育て世代の親との交流を積極的に行い、その中で教育現場の現状、問題点などについて、まずは情報を知らせていくことに重点を置くべきという声が聞かれました。また、報告者の中には、教職員であり、かつまた保護者の親でもあるという方々からの報告もあり、教職員としての立場と学校選択制や授業評価アンケートについての子どもの反応を直接受け取る親としての立場からも意見が交わされるなど、1時間以上にわたり、各地での取り組みや問題意識などについて、多くの報告がなされました。

 最後に桜宮高校の入試中止問題について、大阪市立高等学校教職員組合の辻本正純さんより、体罰禁止の徹底とともに教育活動・部活動の再会、入学試験の実施を求める緊急提言がなされるとともに、関係各所からの同様の要望がなされていることについても報告がありました。

 今回の集会では、学校園教職員の方々や教職員組合の方々という、まさに当事者として危機意識をもった方々が多く集い、現在の大阪市の教育行政についての状況やそれに対する対応等の意見交換がなされました。私自身、大阪市で起こっている教育行政について改めて問題点を認識するとともに、多くの子どもたちの一生に関わる問題として、早急に対応策を講じていかなければならないと感じました。また、学校教育は全ての子どもたちに関わることですので、より多くの子どもたちやその保護者の方々と問題点を共有していくことが今後より重要となってくると思われ、このような集会を広げていく必要性を感じました。