弁護士 徳田 寛生
8月17日(月)にブラック企業対策!労働判例ゼミを開催しました。テーマは「高年齢者再雇用と雇止め(2)」です。参加者数は7名(zoom3名+現地4名)でした。参加者は弁護士、研究者、労働組合員でした。お盆期間直後だったためか参加者数は少し寂しくなりました。
今回、検討裁判例としては、65歳までの継続雇用における再雇用拒否が問題となった①アメリカン・エアラインズ事件(東京地判令5.6.29労判1305号29頁)、65歳定年後の再雇用拒否が問題となった②国際自動車ほか事件(東京地判平30.6.14労判1199号44頁)と、その控訴審である③国際自動車ほか事件(東京高判平31.2.13労判1199号25頁)を扱いました。今回も前回に引き続き津田電気計器事件を担当された谷真介先生にもご参加いただきました。
判例①については、使用者が一方的に作成する就業規則に明記されるなどして継続雇用制度の労働条件が特定できなければ継続雇用の合理的期待が認められないことは不合理ではないか、内定においても労働契約の成立が認められる一方で定年後再雇用では労働条件の特定が要求されるのは不均衡ではないかなどといった批判的意見がありました。判例②及び③についても、定年後再雇用の労働条件の特定という高いハードルが問題となり、裁判所が定年後再雇用後の労働条件について他の労働者の労働条件や社会一般のその産業の相場などから特定するなどの踏み込んだ判断が求められるが、契約自由の原則を尊重して踏み込んだ判断をすることへの忌避感があるのではないかといった意見や、裁判でのハードルが高いのであれば労働組合による団体交渉で解決していくことも検討すべきではといった意見もありました。
次回の判例ゼミは、10月19日(月)午後6時からzoom併用で開催します。テーマは「試用期間と有期労働契約」で、検討判例は、愛徳姉妹会事件(大阪地判平成15年4月25日労判850号27頁)、TBWA HAKUHODO事件(東京高判令和7年4月10日、原審:東京地判令和6年9月26日)、福原学園事件(最判平成28年12月1日労判1156号5頁、原審:福岡高判平成26年12月12日労判1122号75頁)です。検討裁判例だけでなく取り上げたテーマ(論点)が問題となった案件のお悩み相談会的な側面もありますので、お手持ちの案件でお悩み等がございましたら、お気軽にご参加・ご発言ください。
次回も皆様と活発な議論ができればと思いますので、皆様のご参加をお待ちしております。






