民主法律時報

2022年権利討論集会を開催

事務局長 弁護士 西 川 大 史

 2022年2月19日(土)、2022年権利討論集会を開催しました。感染拡大により開催が危ぶまれましたが、会場の席数を大幅に減らすなど感染対策を徹底し、昨年同様、エル・おおさかの会場とZoom併用のハイブリッド形式で実施しました。また、昨年と同じく、分科会は4つに絞り、2月9日、10日にはプレ企画を完全オンラインで実施しました。

プレ企画1(派遣労働)、プレ企画2(雇用によらない働き方)には、ともに約60名の方に参加いただきました。本集会には、会場91名、オンライン約170名、合計約260名の方々に参加いただきました。

 全体会は、東京新聞・社会部記者の望月衣塑子さんに「権力者が隠したい事実を明るみに」とのテーマで記念講演をいただきました。望月さんは、権力に果敢に立ち向かう取材で有名なジャーナリストですが、望月さんの講演を聴いてみたいと思っておられた方も多かったのではないでしょうか。

望月衣塑子さん

望月さんからは、現場の記者の視点で、まず、野党共闘は失敗ではなかったこと、メディアと権力の癒着や政権に迎合・忖度するメディアの責任、維新礼賛を続ける在阪メディアの危険性などについてお話いただきました。そのうえで、望月さんご自身の経験も踏まえ、記者クラブ・新聞社への抗議や激励が現場で奮闘する記者への励ましにもなっていること、世論の空気が変われば記者クラブの雰囲気も変わり、それが権力に切り込んだ記事につながり、国民の知る権利のために重要であること、一人一人の声が政治や社会を変えるために不可欠であることなど、今後の活動の活力となるお話をいただきました。

望月さんのお話はとてもテンポよく、途中にはものまねやラップなども組み込まれるなど、会場は笑いに包まれ、あっという間に時間が過ぎてしまい、もっとじっくり望月さんの講演を聞きたかったという声が多数寄せられています。

 その後の特別報告では、まず西晃弁護士から、軍事拡大や改憲の危険な動きを踏まえて、「憲法9条こそが最大の抑止力である」こと、「各議員に憲法改正に賛成するのか問いかける運動が必要である」との問題提起がありました。

続いて、小松康則・大阪府職労執行委員長からは、第6波を迎えた保健所の実態、保健師や保健所職員の過労死ラインを超える長時間労働、現場の職員の負担は増すばかりであり、「このままでは救える命が救えない」といった現場の切実な声などについて報告いただきました。

 望月さんの講演、西弁護士と小松委員長からの特別報告を受けて、本集会で4本の決議(①軍拡の動き及び憲法改正の発議に反対する決議、②新型コロナ禍において労働者の権利擁護・生活保障のための政策に転換させる決議、③府民と職員の命と健康を守るためのコロナ対策への転換を求める決議、④大阪へのカジノ誘致に反対する決議)が採択されました。

 午後からは、①裁判府労委闘争、②非正規労働、③過労死、④社会保障の分科会を、いずれも会場とZoomのハイブリッドで開催しました。
詳細は各分科会報告をご覧いただきたいのですが、4つの分科会、プレ企画ともに、最先端の理論や運動を踏まえた内容でありました。それは日頃からの民法協活動の幅の広さや奥の深さに起因するものではないでしょうか。

 ハイブリッド形式での開催ゆえに、回線や接続状況により一部音声が聞き取りづらいという声もありましたが、関西MICの方々の多大なご協力により、オンラインでの大きなトラブルなく開催することができました。
まだまだ感染拡大は深刻であり、労働者の雇用と生活を守る闘いが続きます。憲法改悪の阻止、維新府政との闘いなど、課題は山積です。権利討論集会の成果を今後の運動の活力としていただけると幸甚であります。
来年は2023年2月18日に権利討論集会の開催を予定しています。来年こそはコロナの不安に悩まされることなく権利討論集会が開催でき、皆さんと熱い討論ができることを願っております。

分科会・プレ企画の報告

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