民主法律時報

なくそう! 官製ワーキングプア大阪集会 「コロナ禍の先に希望をつくる~問い直そう公共サービスの本質を~」に参加して

弁護士 片 山 直 弥

2021年11月3日(水・祝)に、「なくそう! 官製ワーキングプア第9回大阪集会」が開催されました。

午前中は、分科会が行われました。第1分科会は「会計年度任用職員制度」を、第2分科会は「女性非正規労働」を、第3分科会は「民間委託のあり方」をテーマに行われました。
このうち、私は、第2分科会に参加しました。第2分科会では、参加している女性非正規労働者の方からその実態について話がありました。また、はむねっと(公務非正規女性全国ネットワーク)が行ったアンケートについても報告いただきました。
「女性」と「非正規」の間には切り離せない関係があり、問題は女性の人権に関わるものであって根が深い。また、働く人が「男性・女性」、「正規・非正規」などに分断されている。その分断のために一方が他方に目を向けられない(あるいは、見ているつもりで見ていない)状況となっている。このような気づきを得られる大変貴重な機会となりました。

午後からは、全体会が行われました。なんと全体会はYouTubeでの配信も行われ、参加者は、分科会75名、全体会91名でした。なお、YouTubeですが、集会終了後に確認したところその再生回数は85回でした。

全体会は、Part1として「地域を支えるエッセンシャルワーカー」を、Part2として「分科会報告と闘いの報告」を、Part3として「『名ばかり個人事業主』から『雇用化』への取り組み」を、Part4の特別報告として「世田谷区立幼稚園事務職員『偽装』事件訴訟」、「19歳・ひとり親(父子)家庭で育った自分が知ったこと」をテーマに行われました。

Part1では、保健所で働く方、病院で働く方から、コロナ禍で何が起きていたか、という身近かつ命に関わる重要で関心も強い話を頂きました。命に関わる資源がムダとして削減されたことの問題、独立行政法人化の問題についてお話しいただきましたが、ここでは運動として行った内容について触れておきたいと思います。保健所で働く方も、病院で働く方も、「声を上げるとバッシングを受けるのでは?」という危惧を抱きながらも、現場のことを知ってもらうためにツイッターで発信したりオンライン署名を行ったりしたそうです。

Part2では、午前に行われた各分科会から報告いただきました。
第1分科会からは、公務員の働き方に関する救済制度として人事委員会・公平委員会の活用を進めては、というお話があり、オンラインの勉強会についても話題になりました。恥ずかしながら、私はこの制度のことをよく分かっていませんでしたので、今後勉強会に参加するなどして研鑽を積みたいと思います。
第2分科会からは、女性非正規の実態等について報告がありました。はむねっとのアンケートはインターネットを用いて行ったものでした。運動におけるWeb活用の重要性が示唆されたように思います。
第3分科会からは、民間委託の問題・吹田市と守口市でのたたかいの状況について報告がありました。ここでもWebの活用について話が出ました。自治体の議員と連携することで全国的な運動に展開できるのではないか、オンライン講座を行うなどして広げられるのではないか、という提案がありました。

Part3では、ヤマハ英語講師ユニオンの方から新たに労働組合を作って行った「名ばかり個人事業主」から「雇用化」への取り組みについて報告がありました。組合を一から作るお話は初めて聞きましたので大変興味深かったです。また、「講師の拠り所となる組合にするのが課題」という当事者の言葉が印象に残りました。ちなみに、自分から発信できるように、ホームページを作ったり、LINEを活用したり、Googleのアンケートを活用したということでここでもWeb活用の重要性が示唆されていました。

Part4では、特別報告として、「世田谷区立幼稚園事務職員『偽装』事件訴訟」の報告があり、「 歳・ひとり親(父子)家庭で育った自分が知ったこと」として 歳の若者から寄せられたビデオメッセージの放映がされました。自身が感じた問題(=支援をする側も支援を必要としている現状)について調査・探求するだけでなく、国会議員への陳情提出として問題を提起し、チャットボット開発というAIを用いた相談支援による解決方法を提案しており、とても説得力に富む内容で驚きました。

「コロナ禍の先に希望をつくる」と題して行われた集会でしたが、コロナは確かに多くの苦しみや悲しみをもたらしました。しかし、「Web化」という大きな流れを生み、その流れはうねりへと変化しています。それがマイナスに働く場面も少なからずありますが、「運動」でこれを取り入れて活用する必要性が問われつつあるのではないでしょうか。もしかするとコロナ禍の先の希望はその延長線上にあるのかもしれません。

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