民主法律時報

第59回定期総会を開催しました

事務局長 中 西   基

 2014年8月30日(土)に民法協第59回定期総会を開催しました。
好天に恵まれた夏休み最後の週末にもかかわらず、87名もの多数の参加者があり大盛会でした。これも安倍内閣が矢継ぎ早に繰り出す労働法破壊、憲法破壊の策動に対して、多くの会員が危機感を抱いておられることの反映だと思われ、民法協の活動への期待の大きさを感じました。

記念講演は、森岡孝二さん(関西大学名誉教授)に、『労働者の命と健康を売り渡す残業代ゼロ制度~制度設計のウソの皮を剥ぐ~』との演題でご講演いただきました。森岡先生は、6月に閣議決定された成長戦略改訂版の柱は雇用制度改革であり、雇用制度改革の中の柱は労働時間制度の規制緩和である、と指摘されました。安倍政権が進めようとしている「新たな労働時間制度」とは、過重労働防止策が先決なのに過重労働促進策を提起しており、労働者の「いのち」よりも、企業の「もうけ」を優先している点で本末転倒の議論であると喝破されました。そのうえで、今年6月に制定され11月に施行予定の過労死防止法を活用して、安倍政権の労働時間規制緩和の流れを変えようと提起されました。

その後、議案書に基づいて、2014年度活動総括と2015年度活動方針が提案され、引き続いて、会員各位から積極的な討論が行われました。主な発言は次のとおりでした。
・日本郵政の有期契約労働者が正社員との処遇格差の是正を求めて提訴した裁判の意義について。(郵政ユニオン・松岡さん)
・東京高裁で不当判決が出され最高裁へ上告して闘っているJAL争議について。管財人による不当労働行為については、東京都労委に引き続いて、東京地裁でも不当労働行為が認定されたこと。(JAL争議団・内田さん)
・大阪高裁で不当判決が出され最高裁へ上告して闘っているダイキン争議について。(JMIU・青山さん)
・橋下市長が実施した思想調査アンケートについて、市長直筆の業務命令として回答を命じられ、回答しなければ懲戒処分を受けるのではないかとの恐怖にさらされた現場の職員の思いについて。(大阪市労組・川本さん)
・特定秘密法廃止運動について。(関西MIC・伊藤さん)
・生活保護基準の切り下げ、生活保護法の改悪に対して、団結して闘っている生健会の活動について。(大生連・江田さん)
・最高裁で弁論が開かれることとなった泉南アスベスト国賠訴訟への支援の訴え。(弁護団・鎌田弁護士)
・教育委員会制度の改悪、教科書検定への介入、道徳の教科化によって国民への思想教育を進めようとしている安倍内閣の危険性について。(藤木弁護士)

以上の他にも多数の発言があり、討議の時間が足りなくなってしまったことは、事務局として大反省していますが、あらためて、民法協の活動の広がりと重要性を実感する総会になりました。
引き続き、厳しい情勢が続きますが、新たな活動方針の下に活動してまいりますので、会員の皆さまにはぜひ積極的に活動へ参加していただきますようお願いいたします。

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