大阪商工団体連合会事務局 大西 克佳
本年6月の法改正によりカスタマーハラスメント対策が企業に義務化されました(2026年中に施行予定)。大商連は中小企業者や民商組織内でもハラスメント対策が重要となる中、昨年8月にはハラスメント学習会(講師は吉村友香弁護士)を開催しました。6月の民法協のカスハラ学習会に参加し、ハラスメント学習会の第2弾として今回は「カスタマーハラスメント対策講座」を開催することになりました。9月2日に大商連会館でオンライン参加も含め32民商から94名が参加・視聴しました。講師は加苅匠弁護士。
加苅先生はカスハラの定義、正当なクレームとの区別の重要性、義務化への動向やカスハラの増加の背景などを説明。日頃の備えとして従業員や顧客を守る基本方針を明確化にして、もしもの時の対応マニュアルの作成や録音・録画など記録に残すことなど、具体例も示しながら解説しました。
解説のあと民法協の学習会での事例をヒントにして大商連で作成したカスハラ事例(中華料理店での従業員とお客とのトラブル)についてどのように対応すべきかなどを交流しました。「勤めていた時にお客と対応する部署の責任者をしていたが、当時はマニュアルもなく対応に苦労した」「料理が出てくるのが遅いと苦情を言わるが、うちの店は手作りなので時間はかかると説明し納得してもらっている」「会員から大声で怒鳴られた」など参加者からも自らの体験にもとづく対策の必要性が語られました。加苅先生は「カスハラはパワハラと違って、判断基準は職種や業種によって異なる。そのため民商でも繰り返し学習し経験を交流することが大事」と強調しました。「先生の話は具体的でよくわかった」「マニュアル作成し対策を従業員と共有すること重要だと学んだ」など感想が寄せられました。
民商・大商連は引き続きハラスメントの根絶に向け学習や交流すすめると同時に、ハラスメントの相談は弁護士ら専門家と一緒になってすすめている民商にと呼びかけていきたいと思います。