大阪過労死問題連絡会 新人・若手ガイダンスのご報告

2019年09月15日

弁護士 高橋 良太(京都第一法律事務所)

1 はじめに――過労死連絡会新人・若手ガイダンスの意義

過労死連絡会新人・若手ガイダンスが2019年7月10日に行われました。
同ガイダンスでは新人や若手の弁護士という過労死事案の経験を十分に積んでいない者にもわかりやすいように労災の認定基準等について講義が行われ、過労死の問題に立ち向かう弁護士の育成という観点からは極めて有意義なガイダンスとなりました。
また、同ガイダンスでは、過労死・過労自死のご遺族の方にも参加して頂き、その胸中をお話しして頂きました。参加者それぞれが過労死・過労自死事案の悲痛さを痛感し、過労死・過労自死ということが起こってはならないことなのだと実感することができました。

2 過労死事案の紹介・ご遺族のお話

同ガイダンスでは、過労死・過労自死の具体的事案の紹介が2件なされました。ご遺族との関係で事案の詳細をご紹介することは差し控えさせていただきますが、一方の事案は発症前6か月間の時間外労働時間をみると200時間を超えており、平日は1日 時間ほど業務に従事し、休憩時間も休みもない働き方をして、過労死に至った事案、もう一方の事案は、昇進により業務内容や量が大きく変化する中で、長年にわたり月平均 時間もの時間外労働に従事したために、うつ病を発症し自死するに至った事案でした。

これらの事件についてのご遺族が、このような無理な働き方により大切な方を失ったその胸中について語って頂きました。過労死がいかに理不尽なものであるか、大切な人を失うことがいかに苦しく悲しいことであるかを感じることができ、まさに筆舌に尽くしがたいようなご遺族の思いに新人・若手弁護士も過労死などあってはならないのだと痛感し、過労死問題に徹底的に取り組んでいかなければならないことを感じました。

3 過労死の労災認定についての講義

同ガイダンスでは、脳血管疾患・心臓疾患等の認定基準及び心理的負荷による精神障害の認定基準についての講義がされました。それぞれの認定基準の要件やその考慮要素などについて労災認定の基礎的な部分についてポイントがわかりやすく説明され、また脳血管疾患・心臓疾患等の場合と精神障害の場合についてそれぞれ具体的な意見書の文案例が紹介され、具体的でわかりやすい講義となりました。新人弁護士が過労死問題に取り組んでいくための基礎が培われ、有意義な講義となりました。