ヤマハ英語講師ユニオンが 結成されました!

2019年01月15日

弁護士 清水 亮宏

1 ヤマハ英語講師ユニオン結成!

2018年12月、ヤマハミュージックジャパン(以下、「ヤマハ」)に所属する英語講師十数名が労働組合を結成しました。今後、労働条件の改善を求めてヤマハと団体交渉を行う予定です。ぜひ、会員の皆様からの応援・支援をお願いいたします。

2 ヤマハ英語講師の働き方

ヤマハは、いくつかの楽器店と契約し、音楽教室や英語教室の運営を委ねています。創設された英語教室のレッスンを担当する英語講師は、ヤマハと契約を締結しており、形式上の契約形態は委任契約となっています。

しかし、レッスンで使用する教材やレッスンのカリキュラムなどはヤマハから指定されており、教室の備品等も楽器店がヤマハから購入するものが多くあります。業務内容の定期報告を求められるほか、講師会議や研修への参加を実質的に強制されるなど、英語講師は従属的な立場にあります。講師の報酬は、英語教室のコース内容や指導経験年数等によって変動しますが、基本的には担当するレッスンに対応したものであり、労務との関係が高いものです。

加えて、ヤマハは、税務上、英語講師を給与所得者として扱っています。ヤマハの説明では、英語教室を始めた当初は英語講師を個人事業主として扱っていたが、税務署から指導を受けたため、給与所得者として扱うようになったとのことです。

このようなヤマハの英語講師の働き方の実態をみると、ヤマハ英語講師は労働者であるといえるでしょう。契約形態が委任契約となっているために、労基法等が(形式上)適用されない扱いを受ける、社会保険に加入できないなどの問題が生じています。

加えて、①講師会議・研修などの業務に対する報酬が支払われない、②(講師の報酬が受講生徒数によって変動し)生徒数が1人のみの場合には報酬額が最低賃金を下回るような額となる、③土曜日や日曜日の出勤に対する手当がない、④レッスン時間前後の保護者対応や報告書の作成などの様々な業務に対する報酬が支払われていないなどの問題も生じています。

3 労働組合結成の経緯

このような問題について疑問を抱いた講師の一人が、2018年4月に労働基準監督署に相談したところ「あなた方は労働者ではない」と門前払いされてしまいました。しかしその後、思いを同じくする英語講師が集まり、既存の労働組合や労働弁護士と繋がり、労働組合の意義や役割について学習会を行い、夜中にわたるまで議論した末、労働組合を結成することができました。結成に当たっては、岩城穣弁護士、音楽ユニオン、大阪労連北河内地区協議会、総合サポートユニオン、川西玲子さんなど、様々な方の支援を受けることができました(私もサポートに加わりました。)。

現在、「雇用によらない働き方」が注目を集めていますが、実態が労働者であるにもかかわらず請負や委任と扱われる問題や、過重労働・低報酬の問題などが指摘されています。労働組合を通じた交渉は、これらの問題の解決手段として有効ですが、そのことが十分に社会に共有されていない状況にあります。今回のヤマハ英語講師の行動を通じて、労働組合を通じた働き方の改善の意義について社会的に発信していきたいと考えています。

2019年1月に1回目の団体交渉が行われる予定です。ヤマハに労働者性を認めさせ、付随する様々な問題の改善を図るため、会員の皆様方からもご支援いただけますと幸いです。どうぞよろしくお願いいたします。