「外国人技能実習」 に関する新しい動き

2017年12月15日

弁護士 仲尾 育哉

 外国人技能実習制度は、開発途上国に日本の技能や知識を伝える「国際貢献」を目的として、1993年から続き、2017年には、25万人に及ぶ技能実習生が日本で働いています(法務省の統計)。

しかしながら、「国際貢献」は建前にすぎず、安価な労働力を確保する手段として外国人技能実習制度を利用している実態が、国内外から批判されています。技能実習生は、実習先が決められていて事実上職場の移動ができないなど、労働者として弱い立場に立たされており、受け入れ団体や企業による賃金不払い、長時間労働、労災隠し、旅券の取り上げ、強制貯金、職場におけるパワハラ、セクハラなど様々な労働問題、人権問題が横行するともに、本国の送り出し機関への保証金の支払いなど中間搾取も指摘されてきました。

こうした中で、2016年11月18日、「外国人の技能実習の適正な実施及び技能実習生の保護に関する法律」(以下、「技能実習適正化法」といいます。)が成立し、2017年11月1日から施行されています。

技能実習適正化法の施行により(入管法改正を伴う)、新たに「技能実習3号」の在留資格が創設され、技能実習の最長期間が3年から5年になり、実習先の技能実習生の受け入れ人数の枠が広げられました。あわせて、2017年11月1日から、技能実習の対象職種が77職種に拡大され、初めての対人サービスである「介護」が追加されました。

一方、賃金不払い、長時間労働など技能実習生の劣悪な労働環境が国内外で批判されていることを踏まえて、技能実習適正化法は、技能実習制度の適正化と技能実習生の保護を掲げています。外国人技能実習機構(法務省と厚生労働省が所管する認可法人)を新設し、技能実習生の受け入れ窓口となる監理団体や受け入れ企業への監督を強化しています。監理団体は許可制、受け入れ企業は届け出制になり、監理団体や企業は、実習生ごとに報酬や労働時間を明記した実習計画を作成し、機構の認定を受けなければ、実習生の受け入れができなくなり、実習生の待遇改善のため、認定には、賃金が日本人と同等であることを示す資料の提出が義務付けられています。また、機構が認定後も監理団体や企業を実地検査し、実習計画が守られているかを調べ、計画に反していれば、許可を取り消すことも規定しています。さらに、長時間労働などの労働法上の違法行為だけではなく、外出禁止などの私生活の不当制限や、旅券の取り上げなどの人権侵害行為にも新たに罰則を設けています。