民主法律時報

自民党改憲を許さない4.23大阪集会を開催

弁護士 須井 康雄

2018年4月23日午後6時30分から大阪弁護士会202号室で民主法律協会も含む在阪の法律家団体や代表者ら13名・団体が呼びかけ人となり表記の集会を開催した。
2018年3月24日に自民党が憲法9条、緊急事態条項、選挙区の合区解消、教育の無償化、の4条項について改憲案を公表した。この危険性について学習し、どのように訴えていくかを集会の目的とした。

大阪社会文化法律センターの池田直樹弁護士の挨拶に続き、丹羽徹龍谷大学法学部教授による「自民党改憲提案をどう読むか」という演題のご講演があった。

丹羽教授は、9条の2に自衛隊を明記した場合、自衛隊の活動に歯止めがきかず、憲法上特別な地位を得て、戦前の統帥権のような第4の権力機関になる危険もあると指摘された。

緊急事態条項については、「大地震その他の異常かつ大規模な災害」と規定されているが、9条の改正と合わせれば、軍事的公共性があるとして軍事的な場面でも適用されることが容易に想定される一方で、現行憲法でも参議院の緊急集会制度があり、戦前の緊急勅令と同じ力を持つ緊急事態条項は不要であると指摘された。

合区の解消については、国会議員は全国民の代表とする考え方に抵触すること、日本の国会議員がそもそも少ないことが問題であることなどを指摘された。

教育の無償化については、自民党の改憲案は努力義務にとどまり、無償化がむしろ後退していること、公金支出対象が可能な団体も「公の監督」が及ぶ団体とされ、私立学校に対しても国が教育に介入する糸口になる危険があることを指摘された。

最後に、丹羽教授は、立憲主義と民主主義の回復のためには、政権交代による権力監視機能を高めることが必要であると締めくくられた。

続いて、当協会の冨田真平弁護士から、パワーポイントを使った学習会の実演があった。イラストを多用したQ&A形式で大変わかりやすいもので活用が望まれる。
最後に、リスペクトの政治を目指す大阪弁護士有志の会代表の大川一夫弁護士の閉会挨拶で集会は終わった。

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