決議

団結権と政治活動の自由を否定する大阪府・大阪市条例の撤回を求める決議

2014年02月13日

 2011年の大阪府・大阪市ダブル選挙において大阪維新の会に所属する首長が当選した。大阪市長に就任した橋下氏は、就任直後から、職員や職員組合等による政治活動を声高に非難し、不当な政治活動を規制するためと言って市職員に対して政治活動や組合活動の参加状況を職務命令として回答させる思想調査を実施した。その後、府と市では相次いで、職員団体の活動や労使交渉を大幅に制限する労使関係条例と、職員の政治活動を広汎に制限する政治活動制限条例が制定された。
 労使関係条例は、管理運営事項については労使間での意見交換すら禁止し、労使交渉は例外なく報道機関に公開する(公開に反対すれば交渉に応じない)、職員団体等に対する便宜供与を一切行わない等々、憲法28条が保障する団結権や団体交渉権を大幅に制約している。同条例は「適正かつ健全な労使関係の確保」を目的とするというが、実際には、同条例を根拠に市庁舎内から組合事務所を排除しようとしたり、労使交渉を拒否するための方便としたりするなど、真の目的は職員団体等の活動を弱体化することであった。そもそも、「適正かつ健全な労使関係」は、労使の真摯かつ誠実な交渉によって自ずと生まれ保たれるものであって、条例で規制することで実現しうるようなものではない。
政治活動制限条例は、本来、地方公務員法では規制されていない政党または政治団体の発行する機関紙の発行を援助することや、デモ行進の企画・組織・指導のみならずこれらの行為を援助すること、政治的目的を有した署名等の著作・発行・編集、および配布・回覧することなどがすべて禁止の対象とされている。そもそも、憲法21条による政治的意見を表明する自由の保障は地方公務員にも当然に及ぶ。最高裁は、国家公務員の政治活動を制限する国家公務員法および人事院規則も、政治的中立性を損なうおそれが実質的に認められない非管理職や裁量の余地がない業務に従事する公務員等には適用されないと判断した(平成24年12月7日)。政治活動制限条例は、この最高裁判決にも反するものである。
 現場で日常的に住民と接して住民の実情をしっかり把握している職員らが、自治体の政策・方針や具体的な施策について自由に意見をたたかわせることは、住民の福利への貢献につながるものとして歓迎される。ところが、労使関係条例と政治活動制限条例は、職員や職員団体等の自主的な活動を制限・萎縮させ、職員を思考停止状態に陥らせて首長の忠実なしもべにするものである。大阪維新の会の首長らは、このように職員や職員団体等に対して強権的な姿勢を見せるパフォーマンスで大衆の人気を得ようとしているようであるが、そのような発想は公務員が「全体の奉仕者」であることとおよそ相容れない。
 大阪府と大阪市は、労使関係条例と政治活動制限条例をただちに廃止すべきである。
 以上のとおり決議する。

2014年2月8日
民主法律協会 2014年権利討論集会参加者一同