民主法律時報

「労働弁護士になろう!2025あき」のご報告

弁護士 佐久間 ひろみ

1 はじめに

2025年10月8日19時から、日本労働弁護団主催の「労働弁護士になろう!2025あき」の企画が開催され、大阪会場にも司法試験受験生3名の参加者が集まりましたので、企画内容についてご報告いたします。

2 九州の小倉知子先生より『労働弁護士になった経緯とやりがい』について

小倉先生が労働弁護士に興味を持った大きなきっかけは、司法修習生のときに指導担当であった弁護士が、依頼者の話をよく聞き・励ますという姿勢を持ち、最終的に依頼者から先生に頼んで良かったと言われている姿を見て憧れたこと、とのことです。また、弁護士になって事務所の先輩弁護士から言われて最も響いたのは、「弱い人の味方になって欲しい」という言葉であり、その経験から労働弁護士とは労働者や労働組合側に軸足を置いて労働事件に取り組む弁護士であると考えたそうです。

小倉先生は女性ということもあり、依頼者や相手から「女か」と言われたり、弁護士イコール男という思い込みの強い人から当事者本人と間違われるといった出来事もありつつ、その時に感じた腹立ちをエネルギーにしてこられたとのことです。また、労働弁護士は新しい裁判規範を勝ち取れること、それが労働者全体のプラスになること、個々の労働者の役に立てることは楽しいことで、やりがいを感じているとのことでした。そのうえで、労働弁護士は「儲かる」わけではないけども、「食べていくことはできる」、自由で独立しているので弁護士らしい仕事だという力強い言葉を伝えていただきました。

3 参加しての感想

小倉先生のお話は、女性弁護士が今も抱える問題がありつつ、どうやって労働弁護士としてやってこられたのかというリアルな話であり、これから労働弁護士を目指す参加者にとっては大変興味深い内容だったと思います。参加した司法試験受験生にとっても、リアルな実態が聞けて、イメージを持ってもらいやすくなったのではないかと思います。「弱い人の味方になる」弁護士をもっと増やすべく、今後も「労働弁護士になろう!」企画への参加を続けていきたいと思います。

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