弁護士 窪田 航
人生で初のメーデー参加でした。民法協の事務局員として、裁量労働制反対集会や、定年後の再雇用者に対する均等・均衡待遇を扱う労働法研究会のチラシを配布しました。受け取ってくださった方の中には、有期雇用の現状に疑問があると声をかけてくださる方もいました。
会場周辺では、法律家の諸団体をはじめ、医療関係や印刷業界の労働組合など多様な組織が、旗やポスターを掲げてチラシを配り、進行中の政策の問題点をそれぞれ訴えていました。メーデーは、制度・政策を労働者の立場から検討してきた各職域の成果を持ち寄り、共有する場としても機能しているのだと実感しました。
開始前後はあいにく雨に見舞われましたが、ほどなく止み、顔を上げてデモ行進をすることができました。沿道には海外からの観光客と思われる人がところどころ見られ、行進の様子を写真や動画に収めていました。訴えの内容はわからなかったと思いますが、一応表現の自由が保障されている国であることは感じ取ってもらえたところかと思います。
その一方で、先日、ある自民党議員が平和を訴えるデモ等を「ごっこ遊びにしか見えないんですよ」と述べたことは看過できません。民主主義国家を標榜する国の国会議員であるならば、デモを「ごっこ遊び」などと揶揄するのではなく、民主主義を健全に働かせるうえで不可欠な活動だと理解し、そこで発せられる声を真摯に受け止めて政策に反映しようと努めるべきではないでしょうか。そうした姿勢を欠く政治こそ、むしろ「(王様)ごっこ遊び」と言わざるを得ないと思います。
民主主義社会を維持・発展・回復していくために、法律家として日々の業務だけでなく、労働問題や憲法改正等の平和・人権に関わる課題の研究と発信にも、腰を据えて取り組む必要があることを改めて自覚したメーデーでした。




