オレンジコープ不当解雇事件仮処分申立に対し勝利決定を得ました

2013年05月27日

弁護士 南 部 秀一郎

 去る4月10日、大阪地裁岸和田支部(谷地伸之裁判官)は、オレンジコープ(泉南生協)労組員5人の仮処分申立てに対し、2013年4月以降1審判決までの賃金仮払いを認める決定を下しました。労働者側の主張のみを受け入れ、生協側の主張を退けた勝利決定です。

 決定の内容を述べるにあたって、かいつまんで事案を説明します。オレンジコープ労組は、タイムカードすらなくて、嘘の労働時間の申告を労働者に行わせるなど、労基法を全く無視した生協内の労働環境改善のため、2011年  月に生協の購買部門で、配送業務を行っていたドライバーにより結成されました。そして、2011年  月の団交によりタイムカードの導入を、生協側に約束させるなど、成果を挙げていた矢先、度重なる労組活動に対する生協側の妨害を受けた挙句に、突然2012年6月末日付で、労組員全員が解雇されたという事案です。生協は、2012年4月と6月に、供給部門のみを対象に、希望退職、配置転換の募集をしましたが、説明を求めた組合側の文書の、細かい言葉遣いをとりあげて、謝罪を求め、団交等の説明の機会を引き延ばし続け、説明は一切ないという状況でした。

 労組員たちは、この解雇に対し、労組員のみを狙い撃ちにした不当労働行為にあたり、また会社側が整理解雇と主張した点については、整理解雇の4要件、特に「解雇者選定の合理性」を全く欠いており、解雇権濫用にあたるとして、解雇の無効を主張し、労働契約上の地位確認と、賃金の支払いを求める仮処分を、昨年9月に申し立てました。
 生協側は、申立てに対し、供給事業の赤字の拡大等を整理解雇の理由としてあげ、反論を試みました。

 しかし、4月10日の決定においては、購買部門の赤字は縮小しており、供給事業の赤字の拡大原因は購買部門にはなく、解雇の緊急性は相当乏しいこと、解雇の必要性が明らかでない状況で行われた希望退職、配置転換の募集は、解雇回避策として有効に機能するものではなかったとし、解雇の必要性が明らかでない状況で行った解雇の、人選の合理性についても否定しました。解雇手続きの相当性に至っては、生協の行った引き延ばし行為について、「従業員・労働組合との協議・説明として全く評価できない」と断罪しました。そして、決定は、労組員の解雇を客観的に合理的な理由を欠き社会通念上相当と認められない無効なものだと判断し、2013年4月分以降の賃金仮払いを、生協に命じました。

 今回の決定は、労働者の意見を取り入れた勝利決定です。支援いただいた皆様のおかげで、よい決定が出ました。しかし、仮処分という応急的な手続きであるために、この解雇の本質である、組合を狙い打ちにした不当労働行為との判断は一切されていません。また、生協側から賃金の仮払い金は出ましたが、それとともに起訴命令も、生協の申立により出されています。

 今後も、生協の不当労働行為を明らかにする府労委の救済申し立て手続き(近く尋問の手続きに入ります。)や、地位確認の本訴、そして、彼らの原点である未払い残業代の請求と、労組員の闘いは続きます。生協側は、労組員が生協の組合員であるにも関わらず、生協の総代として総代会で発言をできないようにするなど、あらゆる手段を講じています。闘う労組員たちに、更なる支援をいただけますようよろしくお願いいたします。

 なお、オレンジコープ労組に関する一連の訴訟の弁護団は、鎌田幸夫、山  国満、谷真介、宮本亜紀、南部秀一郎です。