民主法律時報

会場使用拒否事件―「松原民商まつり」中央公園使用不許可裁判へのご支援を

松原民主商工会 専務理事 梅 木 佳 章

松原民主商工会は、昭和39年2月に創立して昨年で50周年、その間に民商会員だけでなく、松原市の中小零細業者、市民とともに歩んできました。平成9年と松原民商創立40周年の平成16年にも松原中央公園で「民商まつり」を開催し、そして昨年50周年を記念して、営業とくらしを守り、市民の健康増進を図ることを目的に、また、収益を東日本大震災被災地に寄付するとして、11月に「民商健康まつり」を企画し、松原市に松原中央公園の使用申請をしました。

「松原民商健康まつり」は、市民誰でも参加できる祭りで「健康」をテーマに、舞台では、和太鼓の演奏や、健康体操、バンド音楽、子どもダンス、消防署によるAED講習、河内音頭などを、広場では、子どもから大人まで体を動かす遊技で、参加者が「健康」に関心を持ってもらう取組を、広場の周りでは、「物品販売」として、縁日(ゲーム・飲食・販売)を行う予定でした。

しかし松原市は、6月に市民に知らせずに「市の後援」が無ければ公園を貸さないとする新たな「松原市都市公園行為許可審査基準」を作りました。松原民商は、松原市に後援等名義使用申請と中央公園の使用申請をしましたが、松原市から松原民商に対して「後援」しない、「公園」も貸さないという決定通知が届きました。「後援」の不承認理由は、主催団体の宣伝又は売名を目的とするものと類推される恐れがある。また、「公園の使用」については、市の協賛・後援の許可を受けた書類がない、市の協賛・後援が無い申請は、公園の管理上支障があり、不許可とする。とするものでありました。

私たちは、今般の松原市が行った公園の使用不許可の処分は、憲法21条「集会の自由」に違反し、地方自治法244条2項・3項の「正当な理由がない限り、住民が公の施設を利用することを拒んではならない」「不当な差別的扱いをしてはならない」ことにも違反していると、昨年12月に、松原市を被告として、中央公園の使用を不許可としたことで被った損害の賠償を求める訴えを南大阪法律事務所の松尾直嗣・岩嶋修治・長岡麻寿恵・高橋徹・遠地靖志弁護士にお願いして、大阪地方裁判所堺支部に行いました。

1月13日の第1回公判では、松原民商の三原会長が「市民のため、だれでも利用できるように公園は許可すべき」と意見陳述しました。50人の傍聴席は松原民商の裁判を支援する沢山の支援者でいっぱいになり、入れない人も出る程でした。公判後、裁判所の近くで原告弁護団からの報告集会を行いました。

9月13日の第6回公判まで、原告弁護団は、『松原市が、不許可の「正当な理由」を何ら説明をしていない。また、公園使用許可申請に対して条例外の「松原市都市公園行為許可審査基準」の市の協賛・後援の許可を受けたものという要件を加重しての不許可決定は、憲法の「集会の自由」を侵害し、市長の裁量権を逸脱・濫用した違法がある、と反論陳述を行い、それに対して、被告・松原市は、「民商健康まつり」は民商の売名行為だと批判して、松原中央公園は「近隣公園」に位置づけられ、目的は専ら近隣住民の憩いに供されるもので、宣伝又は売名をすることは認められない。「まつり」が誰でも参加できる行事であれば効果がより大きく、民商の会則に「中小業者の営業と生活の繁栄を図ることを目的」とし、「不合理な税制を改革する運動を行います」等の活動を行う団体であり、創立  周年を機に内外に向けて団体としての活動の宣伝又は売名にあたることは明らかである。などと市民・団体運動を敵視するような反論を行っています。

また、原告の求釈明申立により、被告側からの過去6年間の中央公園利用実績表が出されました。6年間の間、110件の使用申請に対して、不許可とされたのは平成25年の松原保育連絡会・松原市職員労働組合等、民主団体が主催する「松原子どもまつり」と「松原民商まつり」だけでした。

次回・第7回公判は、原告・松原民商の反論を行い、証人尋問の日程が決まる予定です。
今年、姫路市において西播労連主催の「姫路駅前文化祭」での「安倍批判」に対して、市が集会を中止させた事件で、姫路市が憲法21条に違反する事態が生じたことを謝罪したように、「松原民商健康まつり」も憲法で保障された「集会の自由」、地方自治法の「不当な差別的取扱いをしてはならない」とする、当たり前なことが守られる松原市にするために、裁判へのご支援をお願いします。

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