民主法律時報

第1回労働相談懇談会「試用期間中の労働者の権利と使用者からの損害賠償請求について」

弁護士 中 峯 将 文

 2013年11 月1日、第1回労働相談懇談会が開催されましたのでご報告いたします。
初めに、西川大史弁護士から今年の8月から10月までの労働情勢報告がありました。この間、アスベスト被害補償で港湾運送事業者の業界団体が設ける「港湾石綿被害者救済制度」が全国で初めて適用され和解金が支払われたり(8月13日)、日本海庄やで従業員が過労死した事案で同社に損害賠償を命じた判決が確定したり(9月24日)、大阪市が職員労働組合に市庁舎からの事務所退去を求めた問題を巡って市が労組との団体交渉を拒否したのは労組法が禁じる「不当労働行為」にあたると府労委が認定したり(9月26日)と、重要な出来事が多くありました。
次に、学習会が開催され、講師を松本七哉弁護士と中村里香弁護士が務めました。
松本七哉弁護士は、試用期間中の労働者の権利について具体例を交えながら説明し、参加者からもわかりやすかったという意見が多数ありました。
また、中村里香弁護士は、使用者からの損害賠償請求について説明しました。参加者の関心も高く、具体的な相談事例を報告いただきました。レジの現金差が生じたら従業員が差額を払わされたり、退職を申し出たら寮費を遡って支払えといわれたりと悪質な事例もありました。
最後の質疑応答の時間では、日々多くの労働相談を受けている労働相談員の方々から、多数の質問や意見がありました。印象深かったものとしては、契約内容に不満があっても契約を結ばないと仕事がないという相談があったときにどのようなアドバイスをしたらいいかという質問がありました。これに対しては他の相談員の方から、とりあえず契約締結はして、業務の内容や労働条件などを日々記録することをアドバイスしているとの回答がありました。他に、ブラック企業がはびこると自己防衛するための知識が必要になってくるという意見や、労働組合の意義を知ってもらうための学習講座を開催しなければならない時期にあるという意見がありました。
2時間という短い時間でしたが、時々の労働情勢や相談事例の共有により労働者の権利擁護に少しでもつながればと思っております。
次回は、来年2月21日午後6時30分からの予定です。皆様ふるってご参加ください。

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