決議・声明・意見書

決議

3度目の「大阪都構想」住民投票及び統一地方選と同日の住民投票の実施に対して強く抗議する決議

 2026年7月24日、自民党と日本維新の会により、副首都法案(国家社会機能継続性確保施策及び副首都の整備に係る施策の推進に関する法律案)が参院本会議で可決された。同法案については、参院委員会において、特別区設置の住民投票と地方選などの選挙期間が「重複しないように最大限調整する」旨の附帯決議が採択されている。にもかかわらず、吉村洋文大阪府知事(日本維新の会代表)は、可決直後に「大阪都構想」の住民投票と2027年春の統一地方選の同日実施を目指すと表明した。民意を無視し、また国会軽視も甚だしい発言であり、改めて同法案が大阪都構想実現という党利党略のために成立させられたものであることが浮き彫りとなった。現在は、3度目の住民投票強行に向け、わずか1年未満という極めて拙速で乱暴なスケジュールで議論が進められている。

 そもそも、「大阪都構想」については、2015年5月および2020年11月の二度にわたり大都市法に基づく住民投票が実施されたが、いずれも大阪市民の反対多数で否決されている。2度目の否決直後、吉村知事は「僕自身が都構想に政治家として挑戦することは、もうありません」と明言し、2023年の地方選挙においても公約に掲げていなかった。それにもかかわらず、再び住民投票への挑戦を表明したことは、住民の自己決定に基づく「住民自治」に反するものである。

また、自民党及び日本維新の会は、副首都法案の「特例の附則」に、住民投票の範囲を大阪市民だけでなく「関係道府県(大阪府全体)」に拡大して実施できるとする内容を盛り込んでいた。これは、大阪市の権限や財源を受け取る側である大阪府民を含めて大阪市廃止を決定しようとするものであり、憲法が保障する地方自治の本旨に反し、著しく公平性を欠くものであった。自由法曹団大阪支部等の抗議を受け、当該附則は削除を余儀なくされたが、維新が手段を選ばず大阪市の廃止を目論む姿勢が明らかとなった。

「大阪都構想」は、130年以上の歴史を持つ大阪市の廃止にほかならない。また、市の財源や権限が大阪府へと吸い上げられ一元化されるものであり、高齢者福祉や地域に密着した住民サービスが大幅に低下することは避けられない。二度にわたる住民投票で示された「大阪市存続」という民意を無視し、勝つまでジャンケンを繰り返すように「大阪都構想」実現へ邁進する維新の姿勢は、住民自治と民主主義に対する重大な挑戦であり、市民への裏切りにほかならない。

 加えて、維新は3度目の住民投票を2027年4月の統一地方選と同じ日に実施することを目論んでいる。公選法の規制がかかる選挙と重ねることで、住民投票反対の運動に規制をかけることが目的である。主権者である大阪市民が正しい情報に基づき判断することができるよう、仮に住民投票が実施されるとしても、統一地方選とは別日で実施されなければならない。副首都法案の附帯決議が付されたのも、まさに主権者が適切な判断ができるような環境を整える趣旨であって、これが無視されることはあってはならない。

 当会は、地方自治の本旨や民主主義を守るため、維新の会の党利党略に則った振る舞いに強く抗議し、3度目の住民投票の実施に反対する。仮に、住民投票を実施する場合であっても、統一地方選挙と同日で実施されることに対しては断固として反対し、否決されるよう反対の声を広げていく。当会は「大阪市存続」を目指し、これまでの取組みを教訓としながら、他団体と協力して取り組む所存である。

2026年8月29日
民主法律協会 第71回定期総会

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