決議

解雇の金銭解決制度に反対する決議

2019年08月31日

厚生労働省は、2018年6月12日から、学識者のみによる「解雇無効時の金銭救済制度に係る法技術的論点に関する検討会」を設置し、解雇の金銭解決制度の導入を前提とした議論を行っている。

しかし、解雇の金銭解決制度には、多くの問題がある。

労働者が金銭解決を希望する場合、すでに労働審判等で迅速な解決が図られているし、解雇無効・原職復帰ではなく、違法解雇を理由とした損害賠償請求の裁判をすることも可能であり、労働者にとって金銭解決制度を導入する必要はない。
金銭解決制度が導入されれば、使用者は違法無効な解雇でも金銭さえ支払えば労働者を企業から放逐することが可能となる。労働組合員や内部告発者を狙い撃ちにした解雇を誘発する危険がある。

解雇事件における解決金は、解雇の有効性をはじめとするさまざまな判断要素を考慮して個々の事案ごとに相応しい解決金が決められる。解決金の水準を一律にルール化することなど到底できない。

そのほか、解雇の金銭解決制度における解消金の法的性質や発生要件、権利を行使した場合の効果など、法技術的にもさまざまな課題が山積している。

ひとたび金銭解決制度が導入されれば、いずれ使用者側にも申立権が拡大される危険がある。解雇権濫用法理による解雇規制はないがしろにされ、労働者の職場復帰の途は完全に閉ざされ、雇用破壊へと突き進むこととなる。

当協会は、断固として解雇の金銭解決制度の導入に反対する。

2019年8月31日
民主法律協会第64回定期総会