決議・声明・意見書

決議

労働法制の改悪を許さない決議

  1.  安倍政権は、過去2度廃案となった労働者派遣法「改正」法案を、今国会に三度提出した。すでに衆議院を通過し、現在参議院で審議されている。
     同法案では、派遣先は無期雇用の派遣労働者については業務内容を問わず無期限に利用できるものとされている。また、有期雇用の派遣労働者については、同じ派遣労働者の継続的な受け入れは同一組織単位で3年までとされ(個人単位3年ルール)、派遣労働者は3年ごとに必ず職場を追われることとなる一方で、派遣先にとっては、一応、同じ事業所での継続的な受け入れは3年まで(事業所単位3年ルール)とされているものの、労働者の過半数代表から意見聴取さえすれば繰り返し延長可能とされているため、事実上、永続的に派遣労働者を利用し続けることができる。常用代替防止の原則をかなぐり捨て、「正社員ゼロ」「一生涯派遣」「労働者の無制約な使い捨て」を促進し、労働者の生活と権利を危機にさらす大改悪である。
  2.  また、安倍政権は、労働基準法等一部改正法案を、今国会に提出した。現時点では、審議未了であり、秋の臨時国会での成立が目論まれている。
     同法案では、一定の対象業務に従事する年収1075万円以上の労働者を対象に、労働時間に関する一切の規定の適用を除外する「特定高度専門業務・成果型労働制(高度プロフェッショナル制度)」の創設や、企画業務型裁量労働制の拡大等が予定されている。その結果、労働者は命じられた業務に際限なく従事せざるを得なくなり、生命や健康が脅かされるとともに、生活や家族のための自由な時間さえも奪われてしまう。
  3.  さらに、本年6月に閣議決定された「日本再興戦略」改訂2015において、「雇用終了を巡る紛争処理の時間的・金銭的な予見可能性を高め、(中略)、透明かつ公正・客観的でグローバルにも通用する紛争解決システム等の在り方について具体化に向けた検討を進め、制度構築を図る。」として、いわゆる解雇の金銭解決制度の導入が提言されている。
     現行法下でも、違法な解雇については、不法行為として損害賠償を求めることは可能であるし、地位確認の訴訟や労働審判においても労働者が希望すれば解決金等の支払いによる和解や調停が可能である。 安倍政権が検討しようとしている金銭解決制度は、違法な解雇を行った使用者側に「金で解決し労働者を企業から放逐する」という選択肢を与えるものでしかない。
  4.  安倍政権は、「世界で一番ビジネスがしやすい国」づくりのために、労働者の権利と生命・健康と幸福を犠牲にする労働法制の改悪を推し進めようとしている。
     民主法律協会は、このような労働法制の改悪を絶対に許さない。

2015年8月29日
民主法律協会第60回定期総会

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