決議

「職員の政治的行為の制限に関する条例案」・「労使関係に関する条例案」の廃案を求める決議

2013年02月12日

 大阪維新の会は、昨年10月18日、「職員の政治的行為の制限に関する条例案」及び「労使関係に関する条例案」を大阪府議会に提出し、両条例案は、現在、継続審議中である。

 しかしながら、大阪市で制定された同趣旨の条例は、職員の政治活動の自由や労働基本権を侵害し、違憲・違法であるとして厳しく批判され、松井一郎府知事も、大阪府における制定の必要性がないと答弁しているところであり、およそ制定すべき合理性はない。

 「職員の政治的行為の制限に関する条例案」は、地方公務員法36条2項にいう「政治的行為」の範囲を国家公務員並みに拡大するというものである。しかし、最高裁平成24年12月7日第二小法廷判決は、「公務員に対する政治的行為の禁止は、国民としての政治活動の自由に対する必要やむを得ない限度にその範囲が画されるべきものである」とした上で、国家公務員が制約を受ける「政治的行為」の意義について、「公務員の職務の遂行の政治的中立性を損なうおそれが、観念的なものにとどまらず、現実的に起こり得るものとして実質的に認められるもの」をいうとして、旧社会保険庁職員に対する国公法違反被告事件につき無罪判決を維持した。この判決の趣旨に徴すれば、管理職的地位にない職員が職務と無関係に行った政治活動を「政治的行為」として規制することはおよそ許されないのであって、条例案のような包括的・網羅的な規制の違憲性・違法性は明白である。同条例案は、職員を特定の首長のために奉仕することをねらいとするもので、公務員を全体の奉仕者と定める憲法15条2項に反し、住民の福祉を増進させ、よりよい行政を実現するための住民との共同を阻害するものであって、地方自治の本旨にももとるといわざるを得ない。

 「労使関係に関する条例」は、管理運営事項(地公法55条3項)について、労働組合等との間の団体交渉はおろか意見交換すら禁止するものであるが、管理運営事項であっても、勤務条件などに関連する場合は団体交渉の対象になるのであって、不当といわざるを得ない。また、同条例案は、任命権者に、「適正かつ健全な労使関係の確保」のためと称しながら、労働組合等の活動を検証し、一方的に違法と判断した組合活動を抑止する措置を求める権限を付与しており、労働組合等の自主的な運営や活動に介入するもので、労使対等の原則に反する。さらに、同条例案は、労働組合等に対する便宜供与を全面否定するが、大阪市では、労働組合等の会議や集会のためへの市の施設の使用を不許可とするなど、組合活動への不当な介入の道具として悪用されているところであり、このような不当労働行為を合法化することはできない。このように、同条例案は憲法28条の労働基本権を踏みにじる違憲の条例であるというべきである。

 以上のとおり、両条例案の違憲性・違法性は明らかであって、両条例案は否決され、廃案にされるべきである。私たちは、そのために全力を挙げて取り組むことを決意するとともに、府民挙げて、両条例の制定に反対することを呼びかけるものである。

2013年2月10日
民主法律協会2013年権利討論集会参加者一同